猫の予防接種の種類と受ける際の注意点

猫の予防接種の種類と受ける際の注意点

ウチの猫は外に出ないから、病気を貰ってくるコトないし・・・予防接種代がバカにならないから・・・と、愛猫の予防接種、サボっていませんか?お気持ちは分かりますが、やはり愛猫の予防接種は、余程の理由がない限りは、必須と言って良いでしょう!

SupervisorImage

記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫の予防接種

子猫の予防接種

人間と同じで、猫にも予防接種を行う事で感染を防ぐ事が出来る病気が、いくつかあります。外出する猫や多頭飼いをしている場合は、毎年1回の接種が推奨されています。多頭飼いだと、1匹が感染していると瞬く間に他の猫にも感染し、カオス状態になってしまいます。そうなると飼い主さんの負担も、相当なものとなるのは、想像に難くありません。

また、たとえ外には出ない完全室内飼いだとしても、飼い主が外から感染源を持ち込むことも充分考えられます。靴や洋服について、室内に留まってしまうのです。ですから、外出しない場合でも、定期的な予防接種は受けた方が良いでしょう。費用は動物病院により異なります。受診前に確認しておくと安心して受けられます。

猫の予防接種ワクチンの種類

ワクチン

猫の予防接種には、複数の種類があります。接種する際は獣医師と相談の上、愛猫に合ったものを受けさせましょう!

3種混合ワクチン

コアワクチンと呼ばれる、全ての猫に接種が推奨されているワクチンです。猫風邪や猫インフルエンザとも呼ばれる、「猫ウイルス性鼻気管炎」「猫カリシウイルス感染症」、致死率の高い「猫汎白血球減少症」別名、猫ジステンパーや猫伝染性腸炎のワクチン3種類が混合されています。

5種混合ワクチン

3種混合に加え、結膜炎などを引き起こす「猫クラミジア感染症」と「猫白血病ウイルス感染症」を予防する為のワクチンです。外出する猫はこちらを打った方が良い、という意見もありますが、担当獣医師に相談してから、受けるようにしましょう。

7種混合ワクチン

5種に加え、全部で3種類の猫カリシウイルスに対応しているワクチンです。猫カリシウイルスには数種類あり、予防出来る種類を増やすことでより高い免疫力のゲットを目指します。

狂犬病

日本では必須にはなっていませんが、海外へ渡航する時に必要となります。実際に飛行機に乗るまでに、30日以上開けて2回接種し、抗体の量を検査してその結果を書類に記載し、提出しなければいけません。初回のワクチン接種から検査結果が全て出揃うまでには時間がかかりますので、最低でも渡航の半年前から準備をした方が良いでしょう。尚、猫を海外に連れて行く手続きは中々にして煩雑なので、代行業者に頼むという手もあります。

猫の予防接種プログラム

猫と薬

予防接種は適当に受ければ良い、というものではありません。子猫と成猫では、接種のプログラムが異なります。一般的な例をお伝えしますので、万が一接種に適した時期が過ぎていた、という場合は、担当獣医師に相談しましょう。

生後16週以前の子猫の場合

生後16週以前の子猫の場合、9週、13週、17週に打つのが適切、とされています。もし初回の接種が9週目に間に合わなかった場合は、13週目と17週目の2回接種で問題ありません。

生後16週以降の子猫や成猫の場合

生後16週目を経過した子猫や成猫の場合は、初回の接種から3、4週間開けて、2回目を接種します。

追加接種

上記のように2〜3回接種した後、数年後毎に追加接種を行います。これはワクチンの効果が時間の経過と共に徐々に薄れていく為です。免疫を保つには、定期的な接種をする事が推奨されています。

追加接種の仕方には2パターンあり、1つ目が1年毎に行うパターンです。外出する猫や3匹以上の多頭飼い、ペットホテルを良く利用する場合は感染リスクが高いので、こちらのパターンが望ましいです。国内外のほとんどの動物病院で採用している接種方法です。

もう1つが、最初の接種から1年後に追加接種を行い、それ以降は3年毎に追加接種を行うパターンです。1〜2匹を完全室内飼いしている場合は感染リスクが低いので、こちらのパターンで良いかもしれません。接種回数が減ることで、次項でお伝えする予防接種のリスクを減らすことが出来ます。デメリットとしては、前回からの期間が空くので、接種し忘れる事が考えられます。

愛猫により適した接種パターンは違いますので、獣医師と相談の上、決めましょう。

猫が予防接種を受ける際に気をつけたい事

注射される猫

重大な感染症を予防してくれる大切な予防接種ですが、実はリスクもあるのです。

副作用が出る可能性

接種後に、痛みや発熱、接種部位の腫れ、嘔吐、下痢などを起こすことがあります。また、アナフィラキシーという急性アレルギーにより、生死に関わることもあります。予防接種を受けた後はなるべく安静にさせ、2〜3日愛猫の様子を観察しましょう。何か異常があれば、直ぐに動物病院に行きましょう。

猫注射部位肉腫

注射をした部位に肉腫(ガン)が出来る疾患です。原因は様々言われていますが、まだはっきりした事は分かっていません。予防接種をするのは猫の肩甲骨の間が多いのですが、万が一肉腫が出来た場合に手術がし辛い事から、尻尾や後ろ足に打つのが良いと言われています。接種側は毎年交互にします。

尻尾は肉腫が出来ても対処し易い事からベストな接種部位とされていますが、敏感な場所でもあるので猫が嫌がることが多々あります。そのような場合、獣医師によっては後ろ足に行うこともあるようです。接種部位についても担当獣医師と相談すると、より安心して愛猫に予防接種を受けさせる事が出来るでしょう!

完全には予防出来ない

予防接種したからと言って、100%の確率で病気を予防出来る訳ではありません。ですが接種していない場合に比べ症状を軽く抑えることが出来ますので、やはり出来る限り接種させた方が良いと言えるでしょう。

効果が出ない猫もいる

体質的に接種をしても、稀に免疫が上がらない猫もいます。なるべく感染しないよう、住環境などに気をつけて過ごさせる必要が生じます。

まとめ

ワクチンと注射

一言で「予防接種」と言っても、簡単にハイ、打ってお終い、という訳には行きません。接種するワクチンの種類も考える必要がありますし、副作用の起きる可能性なども考慮しなければいけません。

我が家のかかりつけの動物病院は、ワクチン代が決して安い方ではありませんが、接種後に何か起きた時、愛猫達の体質を良く分かってくれている病院の方が安心と考えています。

病気を予防する予防接種で、逆に愛猫の体調が悪くなってしまっては悲しいですので、接種する際は慎重に行いたいですね!以上、愛猫の予防接種についてを、お伝えしました☆1人でも多くの愛猫家さんの参考にして頂けたら、嬉しいです!

スポンサーリンク