猫の噛み癖の原因と成長に合わせた対策

猫の噛み癖の原因と成長に合わせた対策

愛猫と遊んでいたら、噛み癖で突然「ガブっ!」とされた経験はありませんか?驚くと共に強く噛まれると、それはそれは痛いですよね。場合によっては出血なんてことも・・・。猫の噛み癖を放置するとズーノーシス(人畜共通感染症)にかかる可能性もあります。もし、愛猫に噛み癖がある場合、どうしたら良いのでしょうか?

猫の噛み癖について

噛み付く猫

猫の噛み癖は、子猫と成猫では、噛み付く理由が違う事があります。愛猫の年齢を考慮に入れて、うまく噛み癖を治していきましょう!

人に対しての猫の噛み癖対策

飼い主始め、人間を噛む場合、「子猫」の時期と「成猫」の時期で対策が変わってきます。先ずはこの2つから見て行きましょう。

子猫の場合の噛み癖対策

子猫の場合は、狩りの練習をする為に噛む事があります。特に月齢2~3ヶ月の時期は「社会化期」といって、周りの猫との関係性を学ぶ重要な時期です。できればこの期間までは母猫や兄弟猫と引き離さずに一緒に過ごさせた方が良いのですが、もし難しい場合には飼い主が家族代わりに接する必要があります。

社会化期で子猫は、噛む力の加減を覚えていきます。飼い主が教える場合は、噛まれた時に子猫の目を見て「痛い!」と声をあげたり、指を離さずに逆に子猫の口の中に噛まれた指を少し入れたりして、してはいけない事を教えます。子猫と遊んでいた時に噛んできた時は、遊びを中断して5分程度無視をするのも有効です。他の部屋に行ってしまうのも良いでしょう。「噛むと遊んで貰えなくなる」と覚えてくれれば成功です!

また、歯が生え変わる生後3ヶ月以降は、歯茎がムズムズしてやたらと噛んでくる事があります。その場合には猫用のおもちゃを与えるなどして、むずがゆさを紛らわせてあげましょう。子猫のうちに噛み癖を治してしまった方が、後々楽になります。根気よく、上記の方法で噛む事はいけない事だ、と教えましょう。

我が家の猫も、生後3ヶ月位で家に来た時は噛み癖がありましたが、「痛い!」と大きな声で言い続ける事で理解してくれ、そのうち噛まなくなりました。あまりムキにならなくても、成長するにつれて噛み癖がなくなった、という例もあります。気長に向き合っていきましょう。ちなみに、叩くなどの体罰は、逆に攻撃性を高める可能性がありますのでオススメ出来ません。あくまで言葉や態度で教えるようにしましょう。

成猫の場合の噛み癖対策

間違えた猫

子猫の時に飼い主の手を遊び道具にしていた場合、そのまま「人間の手はおもちゃだ」と覚えてしまい、成猫になっても手を出すとじゃれて噛む、噛み癖がついてしまうことがあります。子猫の時に戻ってしつけし直したい所ではありますが、それは無理なので遊ぶ時は必ずおもちゃで遊ぶようにしましょう。今からでも根気良く教えていけば、手はおもちゃではない、という事を覚えてくれる可能性はあります。遊ぶ時は必ずおもちゃで遊び、手を噛む時は「ダメ!」や「痛い!」など、猫の名前はつけずに注意します。

遊び方にも注意が必要で、あまりに猫が捕まえられないような遊び方をしてしまうとプライドが傷つけられたりイライラしたりして、噛んでくる事があります。適度に捕まえられるようにしてあげてくださいね。

その他にも猫がたびたび噛む、噛み癖には理由があります。新入り猫が来て先住猫のテリトリーを侵された事で、新入りをかばう飼い主も敵と見なされてしまう事もあります。また、「転嫁性攻撃行動」といって、例えば窓の外に知らない猫が表れて驚いた事で、側にいた飼い主を噛んでしまう事もあります。何らかのストレスを受けた事で八つ当たりをしているのです。

他にも、撫でていて突然噛んで来た時には撫で方に満足していない、または「もうイイよ!」と言っているのかもしれません。病気の苦しみなどで噛む事もありますので、愛猫の様子が普段と違うようでしたら、一度受診してみるのも良いでしょう。

家具や物に対しての猫の噛み癖対策

ボロボロの段ボール

遊びが足りていないと遊びたい欲求から、家具などを噛んでしまう噛み癖がある場合があります。対策としては、噛むと猫にとって嫌な味がする忌避剤を使う、入室出来ないようにする、天罰方式(飼い主がしていると猫にばれないように大きな音を出したり、水をかけるなど)で驚かせる、などが有効です。

ですが、まずは猫の遊びたい欲求を満たしてあげる事が大切です。その上で、噛まれては困るものには噛まれないような前述の方法を試してみて下さい。移動出来るものでしたら、猫の手が届かない場所に移動してしまうのも手です。

噛み癖で前科がついた猫

裁判所

アメリカでの話ですが、2006年にルイスというオス猫が、周囲の人々に対する攻撃を繰り返した噛み癖のせいで裁判所から軟禁命令が下る、という珍事がありました。飼い主はルイスが攻撃をするのは、近所の人から水をかけられたり卵をなげつけられたりした事の正当防衛だ、と主張しましたが、2年間の自宅軟禁の上、受診など止む負えない外出の時にはゲージに入れる、という命令が出されました。

それでも一時は安楽死の判決が出ていた位ですから、不服を申し立てた飼い主の尽力のおかげで、命拾いしたルイスなのでした。裁判が日常的なアメリカでも、猫に前科がついたのは初めてのケースだったようで注目を集めました。ルイスが攻撃的になって噛み癖がついた理由は定かではありませんが、とにかく安楽死させられなくて良かったですね。

まとめ

手を噛もうとする猫

猫の噛み癖には本能的なものと人間がつけてしまったもの、両方が考えられます。せっかくの愛猫との暮らしを楽しく穏やかなものにする為にも、しっかりと噛み癖を直していきたいものですね!

投稿者

30代 女性 にゃコロ

猫に前科をつけた事そのものが事件ですね…汗。日本では考えられない裁判(珍事)に、海外との考え方の違いを感じてしまいました。
日本で考えると、きっとルイス君ではなく、飼い主さんの飼い方の責任問題で、裁判になるのかなぁと思いました。

我が家の愛猫も、噛みグセがあります。子猫の頃から15年、生まれ持った気性は変わらないのだなと諦めて、飼い主の私が噛まれずに遊ぶべく、厚手の手袋を装着して対応してます。
衝撃だったのは、100均で買った猫じゃらしの棒(プラスチック)部分にじゃれて噛みついて、穴を開けて見事に折ってしまった事でしょうか。

我が家の中での珍事件です…

猫はかわいい生き物で、殺傷するほどの狂暴さは無いものの、獣は獣。その力を侮ってはいけないですし、人にダメージを与える菌も持っているので、清潔を保つ習慣は、飼い主さんの義務だと感じました。

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