猫がゴロゴロと喉を鳴らす理由や人間にもたらす効果

猫がゴロゴロと喉を鳴らす理由や人間にもたらす効果

概要

  • 猫が喉をゴロゴロ鳴らす理由は、親子間のコミュニケーションや幸せな時、緊張や不快感を表す時など様々である
  • 猫のゴロゴロ音にはストレス軽減や心拍数の低下、骨密度を強化する効果がある
  • 猫のゴロゴロ音を止めるには蛇口から水が流れる音で8割の猫が止める

愛猫とゆっくりくつろいでいる時、ふと撫でると「ゴロゴロ・・・」と喉を鳴らしています。このゴロゴロ音、どこから出ているのか不思議に思った事ないですか?また逆に「ウチの猫はゴロゴロ言った事がない・・・ひょっとして異常なの?」と思う方もいるかもしれません。そんな疑問に今回はお答えしていきましょう!

猫が喉をゴロゴロ鳴らす理由

喉を鳴らす猫

猫がゴロゴロと喉を鳴らす理由はどうやらいくつかあるようです。

母猫が産まれたばかりの目がまだ見えていない子猫に近付く時はゴロゴロ音で知らせるそうです。子猫も産まれて2日目位からゴロゴロ音が出せるようになるそうで、親子間のコミュニケーションに役立っています。

その他にも、「幸せを感じている時のゴロゴロ」「緊張や不快感を表すゴロゴロ」「ケガや死期が近い時などのピンチの時に鳴らすゴロゴロ」「要求する時のゴロゴロ」など様々な場面で猫はゴロゴロ音を鳴らしています。ゴロゴロ音も一つではないのですね~。中々奥が深いようです・・・。

猫が喉をゴロゴロ鳴らす時

それでは、それぞれの猫が喉を鳴らす時について詳しく見ていきましょう!

母猫と子猫のコミュニケーション時

産まれたばかりの子猫はまだ視覚も聴覚も発達していません。母猫が出すゴロゴロ音は触覚で子猫が認識出来る音なのです。ですから、母猫と子猫は初めのうちはゴロゴロ音でコミュニケーションを図っています。生後2日ほどで子猫もゴロゴロ音を出せるようになりますので、それで母猫に「自分は元気だよ」という事を伝えているようです。ゴロゴロ音にはそんな役割もあるのですね。

幸せを感じている時

モミモミする猫

愛猫が気持ち良さそうに目を細め、ゴロゴロ言っている・・・猫を飼っている人ならば、そんな場面に遭遇する事があるでしょう。特に喉や頬などの体を撫でてあげるとゴロゴロ言うことが多いようです。そんな時は愛猫が幸せを感じてくれているのでしょう。

赤ちゃん返り説

赤ちゃん返りしているという説もあります。
確かに母猫との最初のコミュニケーションがゴロゴロ音ですから、その時を思い出して幸せを感じている可能性もありそうです。その証拠に、子猫の頃を思い出しているという行動の毛布などを前足でモミモミフミフミしている時にも、目を細めながら幸せそうにゴロゴロ言っています。
こういう時はおそらく母猫との思い出に浸っている時のようなので、そっとしておいてあげた方が良いみたいです。

個体差がある

「それじゃあ、全くゴロゴロ言ってくれないウチの猫は幸せを感じていないの?」という方。
ご安心ください。一生のうち一度も、ゴロゴロと言わない猫もいるのです。個体差ですから心配する必要はありません。あなたの猫ちゃんは充分に幸せを感じていてくれるはずですよ!

緊張・不快を表す時

例えばワケも分からず動物病院の診察台に乗せられ、キンチョー!!ピキーン!みたいな状態の時も猫はゴロゴロと言います。これは脳内麻薬とも呼ばれる「エンドルフィン」という神経伝達物質が関係しているようです。エンドルフィンは鎮痛作用や多幸感をもたらします。

ゴロゴロ言うことでエンドルフィンが分泌されるのか、エンドルフィンが出るからゴロゴロ言うのかは未だに分かっていませんが、病院の診察台に乗るというように緊張や不快感を感じた時に気分を和らげようとゴロゴロ言うことは確かなようです。

ピンチの時

ピンチな猫

緊張・不快感を感じた時にゴロゴロ言う理由と同じなのですが、例えば「ケガをした」「分娩をする」「喧嘩を避ける」「死の直前」などにもゴロゴロと言う事が分かっています。
このような場面では猫は痛みや苦しさを感じているのでしょう。ですから自己防衛策として苦痛を和らげるため、脳内麻薬のエンドルフィンが分泌されます。ゴロゴロ音とエンドルフィンは密接な関係にあるようですから、猫が苦痛を感じるとゴロゴロ音を鳴らすのです。

また、「ゴロゴロ音には骨折を早く治す可能性がある」とカリフォルニアの研究チームが突き止めています。
ゴロゴロ音の周波数が息を吐く時も吸う時もほぼ25Hzに固定されている事から、その周波数が骨に刺激を与え、新陳代謝を促している事が分かりました。ゴロゴロ音が骨の細胞を活性化し、骨密度の維持に役立っている可能性があるという事です。骨折をした時にゴロゴロ音を鳴らす事で、修復を促進しているのですね。
このまま研究が進めば、将来宇宙空間での運動不足による骨密度の低下を防ぐため、ゴロゴロ音が宇宙飛行士へ応用される事も考えられているようです!すごいぞ、お猫様!!

何か要求をする時

飼い主に「何かくれ!これをしてくれ!!」と要求する時、ゴロゴロ言う時があります。通常のゴロゴロ音の周波数が25~150Hzなのに対して、要求する時の周波数は220~520Hzと高めなのだそうです。
人間も何かをおねだりする時は声が高めになりますから、同じ原理なのかもしれませんね!
要求のゴロゴロ音は英語で「soliciting purr」、懇願や誘いのゴロゴロ、と言われています。

猫のゴロゴロ音

出典:https://www.youtube.com

猫のゴロゴロ音が人間にもたらす効果

骨折と猫

あるテレビ番組が帝京科学大学の協力で行った実験では、猫のゴロゴロ音が人間のストレス度・心拍数などに影響を与えるという結果が出されました。猫のゴロゴロ音を聞いた6人中5人のストレス度が軽減され、6人中4人の心拍数が低下したそうです。6人中3人は猫好き、3人は猫嫌いだそうで、猫が嫌いな人でもゴロゴロ音による効果がある事が証明されました。

また、ゴロゴロ音の周波数が人間の骨密度を強化する周波数とほぼ一致している事から、有名サッカー選手も猫のゴロゴロ音で骨折を早く治してワールドカップに出場したとか。フランスでも猫のゴロゴロ音を利用して、人間の骨折治療に活かしている理学療法士がいるそうです。

猫がゴロゴロと喉を鳴らすメカニズム

リラックスする猫

実は、猫がゴロゴロと喉を鳴らすメカニズムは多くの研究がされてきましたが、未だにこれと言った決め手がないまま、謎とされています。
ですが、喉頭(気管の入り口)の筋肉が細かく痙攣する事で声門を振動させて鳴らしているという「喉頭説」が有力です。ただこの説を否定する「喉頭を切開された猫が横隔膜でゴロゴロした」という報告もあり、やはり未だに謎のままです。

このゴロゴロ音は全てのネコ科動物が鳴らせる訳ではなく、ライオンやトラ、ヒョウなどの吠える事の出来るヒョウ属ネコ科動物は喉を鳴らさず、チーターやピューマなどのヒョウ属以外のネコ科動物は喉を鳴らす事が出来るそうです。何だか不思議ですね。猫のゴロゴロ音は世界7大不思議にノミネートしても良いのではないでしょうか?

猫のゴロゴロ音を止める方法

水道

猫のゴロゴロ音を止めたい時というのは、主に獣医師に診察してもらう時になります。
獣医師界でも悩みのタネとなっている、聴診時の猫のゴロゴロ音。ゴロゴロと鳴っていると全く心臓の音が聞こえないそうで、正確な診断には邪魔となってしまうのです。

そんな時には水道の蛇口の近くに猫を連れていきましょう。蛇口から水を流せば、その音で猫がゴロゴロ言うのを止めるそうです。なんと、ある論文では81%もの猫がゴロゴロ音を止めたとか。
他にも、アルコールを薄めたスプレーを猫の近くにかけると50%の猫が止めたそうです。絶対に止める!とは言えないのですが、もし聴診時に獣医師が困っている時はそんな工夫をしてみるのも良いかもしれませんね。

世界一ゴロゴロ音が大きな猫

優勝

ギネスにも認定された「世界一大きなゴロゴロを鳴らす猫」マーリンをご存知ですか?イギリス在住のトレイシー・ウェストウッドさんの飼うマーリンはそれまで世界記録を保持していたスモーキーの記録を2015年5月見事打ち破り、ギネス記録に認定されました!

スモーキーの記録が「67.68db」に対し、マーリンの記録はセミや掃除機と同じレベルの「67.8db」。この記録が出たのは、大好物のツナを食べた後だそうです。よほど満足したのでしょうね!
マーリンのゴロゴロ音は下記の動画サイトで聞く事が出来ます。

マーリンのゴロゴロ音

出典:https://www.youtube.com

スモーキーのゴロゴロ音
ちなみに、残念ながら1位の座を譲り渡したスモーキーのゴロゴロ音はこちらです。

出典:https://www.youtube.com

マーリンは動物保護施設から引き取られた猫だそうですが、子猫の時点で成猫よりも大きなゴロゴロ音を鳴らせたそうです。ゴロゴロ音の鳴るメカニズムさえまだ謎なのに、なぜそこまで大きなゴロゴロが鳴らせるのか・・・更に謎は深まります。

まとめ

人と猫

いや~、猫のゴロゴロ音スゴイですね!まさに、「たかがゴロゴロ音、されどゴロゴロ音」です。
猫の可愛らしさに癒されるだけでなく、ゴロゴロ音で人の体も癒されるなんて、この先、お猫様様になってしまいそうですね。
実際アスリートの中には、猫のゴロゴロ音で体の治癒を促す効果を狙って猫を飼う人もいるそうです。人の健康の為にも、猫を飼う事は良いのかもしれません。飼い主のいない猫にとっても良い事ですよね♪
週末は猫を飼いに行こう!!

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