猫の胃腸炎は早期発見が大切!原因から対処法まで
ゆん
元獣医師

猫の胃腸炎は早期発見が大切!原因から対処法まで

猫の胃腸炎の原因は様々なものが挙げられます。原因に対しての早期治療を行えば治る胃腸炎がある一方で、原因が分かっていてもなかなか治らない、治せない胃腸炎もあります。ここでは猫の胃腸炎について詳しく説明したいと思います。

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目次
猫の胃腸炎の原因は?
猫の胃腸炎の症状は?
猫の胃腸炎の診断や治療はどのように行う?
最後に

猫の胃腸炎の原因は?

元気ない猫

猫の胃腸炎と一言で言っても、以下のように様々な種類の胃腸炎が挙げられます。

急性胃炎
腐食、汚染された食事の摂取、有害植物、異物、胃を荒らすような薬の服用など
ウイルス性胃腸炎
パルボウイルスやコロナウイルスなど
細菌性胃腸炎
ヘリコバクターやカンピロバクターなど
寄生虫による胃腸炎
回虫、鉤虫、条虫、ジアルジア、トリコモナス、コクシジウム、クリプトスポリジウムなど
特発性腸炎
炎症性腸疾患ともいう、猫のリンパ球形質細胞性腸炎、好酸球性腸炎など
腫瘍による胃腸炎
消化器型リンパ腫、内蔵型肥満細胞腫など

猫の胃腸炎の症状は?

うなだれる猫

食欲不振、元気消失、体重減少、嘔吐や下痢(時には血便)などが挙げられます。
猫自身や原因によって症状の出方にはバラツキがあり、軽度の食欲不振しか出なかったり、1日に何回も吐く、ということがあります。

猫の胃腸炎の診断や治療はどのように行う?

治療を受ける猫

獣医さんは症状や既往歴に加えて、病院で色々な検査を行って診断していきます。

寄生虫疾患、細菌性・ウイルス性胃腸炎の場合

寄生虫疾患やウイルス性胃腸炎などは糞便検査や血液検査、抗体検査などで判断していきます。寄生虫疾患では一回の糞便検査では判定できない場合がありますので、疑われるのであれば数回以上の糞便検査が必要になります。
寄生虫が原因であれば胃腸炎の症状は駆虫薬で良くなる場合が多いですし、細菌性やウイルス性胃腸炎は早期に嘔吐や下痢などに対して脱水予防のための点滴を行ったり、内服の薬を飲んだりと対症療法をしっかり行えば多くは問題ありません。

腫瘍性・特発性胃腸炎の場合

腫瘍性胃腸炎であれば、適切な治療を行うためにどういった種類の腫瘍なのかを判定する必要性があります。腫瘍の種類を診断するために、お腹をエコー検査の機械で見ながらお腹に細い針を刺し、腹腔内の胃腸由来の腫瘍細胞を採取してくるという方法があります。
しかし、多くは「内視鏡検査で胃腸の一部を採取し、病理検査で調べる」という方法が一般的です。
この内視鏡検査は特発性胃腸炎の診断するためにも重要な検査になります。内視鏡検査は全身麻酔が必要になりますので、診断するためには麻酔のリスクを伴います。

腫瘍による胃腸炎は腫瘍を取り除くか、縮小させる治療になります。転移などが認められずに、単発に発生している腫瘍は外科的摘出が好まれます。
しかし、猫に多いリンパ腫や肥満細胞腫などは腫瘍が内臓に広がっていることも多く完治は難しいですが、腫瘍を小さくさせる抗がん剤や内服の薬で治療していきます。

特発性胃腸炎は猫自身の免疫が関与していることがあり、食事の変更や胃腸炎の炎症を抑えるステロイドや免疫抑制剤が選択されます。

他の病気が原因で猫が胃腸炎になっている場合

上記の他にも、肝炎や膵炎、ホルモン疾患、腎疾患などで二次的に胃腸炎が誘発されることもあります。この場合は胃腸炎の治療はもちろん、原因となっている病気の治療も必要になります。

最後に

病院の猫

胃腸炎は悪化すると全身状態もますます悪化していきます。長期間、胃腸炎の症状を放っておくと手の施しようがなくなってしまった、ということも少なくありません。
早期発見、早期治療が重要です。愛猫のサインを見逃さないでくださいね。

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  • 女性 Keiko

    ねこちゃんの胃腸炎はよく見かけます。実際私の愛猫も、一度食欲がなくなり、何度か胃液を吐いて、病院で治療してもらったことがあります。幸いにも特になにか大きい病気が原因ではなかったですが、胃腸炎の症状は結構大きい病気の際にもみられるものが多いです。なんでもないことも実際多いですが、もしくは心当たりがある場合も多いですが、なんとなく様子を見る、というのはやっぱりよくないと思います。記事にもある通り、消化管にできるリンパ腫など、早めに対処しなければならないものもあるのは間違いないので、素人判断で大丈夫、というのはあまりいい選択ではないと思います。こんなことで病院いいくのも...と思われる方もいると思いますが、どんな些細なことでも気になる場合はすぐに病院へ行ったほうがいいのではないでしょうか。
  • 女性 むぅ

    子猫をよく診療している病院の動物看護師です。
    子猫の場合は、寄生虫、細菌性、ウィルス性の腸炎がかなり多いです。
    院内で顕微鏡で行う簡易的な便検査で寄生虫や細菌が見つかる場合も多いのですが、実際はあるのに見つからないということもしばしばあります。そこで、最近では「下痢パネル」という外注検査があり、便を病院を通じて検査会社に送ることで腸炎の原因になる寄生虫、細菌、ウィルスの数種類を検査し、それらに感染しているか、感染していないかチェックしてもらうことができます。
    費用は病院にもよりますが、10000円ぐらいかかる高価な検査ですが1回で結果がわかるので、早期の的確な治療に繋げることができます。
    それ以外にも、子猫の場合は環境の変化によるストレスから腸炎を起こすことも多いです。
    こちらは時間の経過で良くなることが多いのですが、他の原因の腸炎と併発している可能性もあるので注意が必要です。
    どちらにしても病院で検査を受けましょう。

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