猫の鼻炎とは〜原因や症状、治療法や予防法まで〜
元獣医師

猫の鼻炎とは〜原因や症状、治療法や予防法まで〜

猫の鼻炎は主に感染性によるもので、治療も薬で良くなるケースが多いですが、慢性化すると治療困難になることも多い病気です。ここでは、猫の鼻炎の原因別に治療法、予防法まで記載しています。

143view

猫の鼻炎って?

鼻炎の猫

鼻炎は、鼻腔の粘膜に炎症が起こる病気のことです。炎症の初期はサラサラとした透明の鼻水が出ます。炎症がどんどん広がってしまうと、ネバネバした鼻水や、膿や血の混じった鼻水が出ます。

猫の鼻炎は慢性化することも珍しくなく、炎症がさらに進むと、鼻の骨がとけて鼻が変形してしまうこともありますし、病原体が鼻から脳の方まで入り込むことで、脳神経症状などが現れることもあります。鼻炎は重症化すると怖い病気です。

猫が鼻炎になる原因

鼻がかわいい猫

猫が鼻炎になる原因としては、猫風邪と呼ばれる猫ウイルス性鼻気管炎や猫カリシウイルス感染症などのウイルス感染や、ボルデテラやパスツレラなどの細菌、アスペルギルス、クラミジア、クリプトコッカスなどの真菌感染によるものが多いとされていますが、ハウスダストや花粉などが原因となるアレルギー性鼻炎などの場合もあります。

また、まれではありますが老齢の猫では鼻腔内に腫瘍ができることで鼻の粘膜の炎症が広がることもあります。腫瘍の種類としては腺癌、扁平上皮癌、軟骨肉腫、骨肉腫、リンパ腫などが挙げられます。鼻腔内に発生する腫瘍は悪性が多いと言われています。

他にも鼻腔内に植物の種などの異物が入り込むことで、鼻腔内の炎症が起こることもあります。特に外飼いの猫は要注意です。 歯周病を持つ猫も、鼻炎に移行することがあります。上顎の炎症が鼻腔内に膿をもたらし、炎症が広範囲に渡ると、副鼻腔炎と呼ばれる蓄膿症に発展することもあります。

猫の鼻炎の症状

猫の鼻アップ

主な症状はくしゃみや鼻水、流涙、目やになどです。鼻水で鼻腔内が埋まってしまうと、空気が通らないため口での呼吸や、呼吸困難に陥ることもあります。
腫瘍性の鼻炎では鼻血が出たり、鼻の変形が生じることがあります。額に違和感や痛みを生じる場合もあります。

猫の鼻炎の治療法

かわいすぎる猫

感染性の鼻炎では二次感染予防として抗生物質や炎症止めとしてインターフェロンの注射を使用することがあります。

アレルギー性鼻炎であれば、症状緩和のため抗ヒスタミン剤やステロイド剤などを使用します。症状が軽度であれば数日で完治することが多いですが、体力が低下していたり、免疫力が低下している状態(老齢、猫エイズウイルス感染症など)ですと、鼻炎が慢性化することもあります。腫瘍性の鼻炎の治療法はさまざまです。腫瘍の種類によって、放射線療法、外科治療、抗がん剤治療などの選択になります。

鼻腔内の異物混入が疑われる場合、内視鏡を用いて異物の探索を行うため、猫に全身麻酔をかけることになります。異物除去が行われれば、症状は良好に向かいます。
歯牙疾患による鼻炎は歯の治療が最優先になります。鼻炎の原因となっている歯の抜歯が必要になることがあります。抜歯にも全身麻酔をかけることになります。
あまりにも鼻水の量が多く、呼吸が辛そうでしたら、自宅でできることとして、人間の赤ちゃんに使用するような鼻水吸引器を用いることも有用です。

また、ネブライザーは密封容器内に薬剤を浸透させ、猫に吸入させる治療法ですが、病院に通院することが条件ですし、1週間に1,2回程度の治療ではあまり改善は認められません。鼻炎が慢性化してしまった猫のために自宅でできるようにと、吸入器を購入してネブライザーを行なっている家庭もあるようです。

普段の生活でできる予防法

猫の鼻

鼻炎の主な原因であるウイルス感染を防ぐためには定期的に3種混合などのワクチン接種を行うことが重要です。ウイルスや細菌の感染による鼻炎は空気が乾燥する冬場が多いと言われており、自宅の湿度や室温を適切に設定しましょう。

感染性の鼻炎が疑われるようでしたら、感染猫は他の猫と隔離するようにしましょう。飛沫感染や接触感染の恐れがあります。感染猫が使用した食器やトイレは消毒薬で清潔にしてください。

猫の鼻炎の原因はさまざまですが、多くは感染性です。自宅でできる予防や環境改善はしっかり行うようにしましょう。

おすすめ記事

新着ねこ記事

メインクーンは犬らしい猫!?その魅力を徹底解析!

メインクーンは「ジェントルジャイアント」と呼ばれる大きくて優しい性格をしている猫種です。その起源には様々な説がありますが、北アメリカのシビアな自然環境で鍛え抜かれ、強く…

48 view
ひよしりん

ノルウェージャンフォレストキャットとメインクーンを見分けるコツ

ノルウェージャンフォレストキャットとメインクーンってほんとに似ていますよね。ぱっと見ただけでは区別がつかない人の方が多いかも。今回は、この2種類の猫についてどこが違うのか…

23 view
chiyoko

ペルシャがかかりやすい病気とは?毎日のお手入れが鍵!

猫の女王と呼ばれるペルシャ。低い鼻がなんとも愛らしいですよね。今回はペルシャのかかりやすい病気について調べてみました。

21 view
コエリ

アメリカンショートヘアの値段について。どれくらいお金がかかるの?

初心者でも飼いやすく、体も丈夫な子が多い事から安定した人気のあるアメリカンショートヘア。毛色の種類もとても多いので、どの子が良いか迷ってしまいますね。アメリカンショート…

40 view
ひよしりん

マンチカンがなりやすいヘルニアとは?対策をして未然に防ごう!

猫にも起こる可能性があるヘルニア。短くて可愛い足が特徴のマンチカンですが、ヘルニアにかかる可能性がある事が分かりました。今回はマンチカンのヘルニアについて調べた事をご紹…

57 view
コエリ