猫の貧血に効果的な食事や食べ物

猫の貧血に効果的な食事や食べ物

概要

  • • 猫の鉄・栄養欠乏性貧血には鉄分、たんぱく質、葉酸、ビタミンB12、ビタミンCなどが効果的
  • • レバー、小松菜、白菜、魚(かつお、いわしなど)、卵黄などは含有量が豊富
  • • 貧血の猫用のサプリメントを与えるのも効果的

猫も、人間と同じように様々な原因で、貧血になります。飼い主さんは、なんとかして改善させたいことでしょう。猫の貧血に効果的と言われている食べ物について、ご紹介します。

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記事の監修

北里大学獣医学科卒業。埼玉県内の動物病院で勤務医をしながら教育・研究にも携わっており、大学では『伴侶動物の鉄代謝』をテーマに研究しています。『猫は小さな犬ではない』という格言のもと、何よりも猫ちゃんの健康と福祉の向上を一番に考え、日々の診療に励んでおります。

猫の貧血に効果的な食事の特徴

食事のお皿と猫

栄養素が不足して貧血に陥っている場合、改善しようとするには血液を作っている鉄やビタミンが含まれるものを取る必要があります。貧血に効果的な食事の成分として次の成分があげられます。

  • 鉄分
  • タンパク質
  • 葉酸
  • ビタミンC
  • ビタミンB12

鉄、ビタミンB12、良質なタンパク質は血液をつくるにあたり重要な成分です。鉄分・タンパク質・葉酸は、赤血球やヘモグロビンを作るのに必須の栄養素です。また、ビタミンCは鉄分の吸収を助ける働きをすると言われています。

貧血は単純な一つの症状ではなく、出血、造血器障害、自己免疫による溶血性貧血、腎性貧血、鉄・栄養欠乏性貧血、慢性炎症に伴う貧血、脾機能亢進症、腫瘍、中毒、感染症によるものなど原因は様々あり、まずは動物病院で貧血の程度と原因の特定が先決です。

この中でも鉄・栄養欠乏性貧血の場合であれば、食事を変えることによって症状が改善されることがあります。また、腎性貧血など栄養不足が原因ではない貧血の場合でも、食事を変えることによって貧血の回復を助ける効果が望めます。

鉄欠乏性貧血の場合であれば、食事を変えることによって、症状が改善されることがあります。また、食事が原因ではない貧血の場合でも、食事を変えることによって、猫の回復を助ける効果が望めます。

貧血の改善が期待される食材としては以下ものが良いとされています。

  • レバー(鶏、牛など)
  • 小松菜、白菜
  • 魚(かつお、いわしなど)
  • 卵黄

どれも、与えすぎは逆に体調を悪化させる原因にもなります。また、食物アレルギーや食物不耐性を持つ猫には与えない方が良い場合もあります。猫それぞれの症状に合わせ、量を調整して与えることが必要です。

猫の貧血に効果的な食事を与える方法

スプーンと手から食べる猫

鉄・栄養欠乏性貧血の治療法としては食餌療法が効果的だと言われており、キャットフードで栄養を補うか、手作りをしてあげるという方法があります。

与える時に気をつけることとしてキャットフードにしても手作りにしても、猫に与えても良いかどうか栄養バランスが取れているかを必ず獣医さんに確認することです。そして必ず加熱をして、どんな食材もバランス良く摂ることが大切ですし同じものだけをあげ続けないように気をつけましょう。

例えば腎不全がある場合はタンパク質の摂取を控えるなど病気や体の状態によっては与えない方が良い場合もありますので、それぞれの猫に応じた食餌を与えることがいちばんです。

なかなか与え続けるのが難しいという場合にはサプリメントを与える方法があります。与え方としてはいつものフードに混ぜたり、トッピングしたり、補助的に単独で与えるなどがあります。

ちゃんと、貧血の原因となっている病気の猫に合わせたキャットフードが販売されていますので、そちらを与えるのも効果があると考えられます。

食餌療法を始める前に気をつけることは、獣医さんで貧血の診断をしてもらい、その貧血を起こしている原因を突き止めておくことです。原因や症状に応じて治療方法が変わってくるので相談した上で食事療法をしてあげることが、猫の貧血の改善や病気の治療につながります。

猫が貧血になる病気とは

診察される猫

腎不全

猫の腎不全とは、腎臓の機能が低下して機能不全になってしまう病気です。慢性腎不全が進行すると、高血圧や貧血などの症状が出始め元気・食欲不振につながります。

急性腎不全と違い、慢性腎不全は一度発症すると、失われた腎臓の機能が戻りません。そのため、治療法は、症状を緩和し、進行をできるだけ抑えることになります。

治療では食餌療法と内科的な治療がありますが、主体は療法食による食餌療法になり、動物病院で販売されたものを与えることになります。

ヘモプラズマ症

ヘモプラズマ症とは猫伝染性貧血とも言われ、赤血球の表面に寄生するヘモプラズマという病原体に感染することにより貧血になる病気です。

この病原体に感染すると、赤血球が破壊され溶血性貧血を起こしてしまいます。猫白血病ウイルス(FeLV)や猫免疫不全ウイルス(FIV)などに感染していると、ヘモプラズマへの感染リスクも高くなるとも言われています。

この病原体の感染経路ははっきりとはわかっていませんが、猫同士の喧嘩による咬み傷やダニによる媒介、母子感染などが考えられています。この感染症だけではなくFeLVやFIP感染でも結果として貧血が起こることがあります。

中毒

猫が薬物や中毒物質を食べたり、吸い込んだりすることで造血機能障害を起こしたり、止血異常、溶血性貧血を引き起こすことがあります。

殺鼠剤の誤食では血が止まらなくなる成分があるので、鼻や口、皮膚などからのちょっとした出血が止まらず貧血に陥ります。また、ネギ類の誤食では溶血を起こしてしまうこともあります。個体によって重症度は異なりますが、吐血したり、血液の混ざった便や黒い便をしたりもします。

猫の貧血に効果的な食事のまとめ

色々なフードと猫

猫が貧血に陥っている際に与えるキャットフードは、必要な栄養素をしっかり補給できて、防腐剤や添加物などがなく、出来る限り自然なものを与えることが理想的だと考えられます。貧血に対して食餌療法を始める時には、必ず動物病院での診察を受け、貧血を引き起こしている原因とその原因となっている病気の治療をした上でアドバイスを受けましょう。

手作りの食事を与える時にも、獣医さんに具体的に与えるものを伝えて、今の猫の状態にとって安全かどうかを判断してもらうことをお勧めします。

貧血症状は、普段の生活の中で気付くことが出来ます。また、貧血になってしまった猫でも適切な治療と食餌に気をつけることで回復する可能性があります。定期的なワクチン摂取や室内飼いの徹底も含めて、毎日与える食餌にも気を配り、猫がストレスのないように暮らせるようにしてあげましょう。

投稿者

40代 女性 さわこ

実家の猫ちゃんが、腎不全になったときに初めて貧血になりました。
なので、治療とともに食事にもホウレン草を湯がいて与えました。
やはり、鉄分が足りたようで1ヶ月くらいで、腎臓の値も貧血の値も正常値に近くなりました。
ぐったりとしていたのが、日に日に元気になり、起きている時間が多くなりました。
貧血もとても怖いものですね。

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