猫がウインクする時の意味と考えられる病気とは

猫がウインクする時の意味と考えられる病気とは

猫は表情が乏しいと良く言われますが、体の様々な部分を使って、懸命に感情表現をしています。目は特に感情が現れ易く、猫の気分を知るのに重要な部分です。ある猫が、あなたに向かってウインクをしました。この時猫は、どんな気分でいるのでしょう?

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

なぜ猫はウインクするのか

ウインクする猫
  • 親愛の情がある時
  • 敵意を持っていないという意味
  • 眠い時も猫はウインクする
  • 病気の可能性

猫がウインクするのは、親愛の情を表している、と言われています。目と目が合い、じっと見つめ合うのは猫にとっては敵意を持っている、という意味となります。

ですから、相手に敵意を持っていない事を表す場合や親しみを表す為、ウインクをするのです。両目を細めたり、まばたきしたりする事もあります。

眠くて目がしょぼしょぼになり、たまたまウインクのように片目をつぶる時もあります。また、猫が寝ている時に近付くと、気配を感じた猫がさもめんどくさそうに、片目だけを開けてこちらを確認する事も。

この場合は、特別愛情を示している訳ではなさそうです。

猫がウインクしてくれたからと言って、喜んでばかりいられないケースもあります。明らかに片目をつぶっていたり、目が開かない状態になっていたりする場合は、何かしらの異常がある場合があります。

やたら涙や目やにが出ていないか、腫れがないかなど、確認しましょう。猫の目の病気は進行が早い為、いつもと違っておかしいと思う事があれば、早めにかかりつけの獣医師に相談してください。

ただ単に、目に異物が入ってウインクしている時もありますが、取り除けるようでしたら、異物を取ってあげましょう。もし難しければ無理をせず、獣医師に相談すると良いでしょう。

猫がウインクする時の病気

毛布にくるまってウインクする猫

猫がウインクする時に考えられる病気はたくさんありますが、代表的なものをいくつか挙げてみました。

  • 結膜炎
  • 角膜炎
  • 眼瞼炎
  • 眼瞼内反症
  • 眼瞼外反症

結膜炎

結膜は、まぶたの裏から折り返し、眼球の白眼部分を覆い、角膜の縁まで続いている膜の事です。ここに炎症が起きるのが、結膜炎です。

異物や感染症、他の病気などが原因で起き、ウインクしているような状態やまばたきを頻繁にする、白眼の充血など、目に異常が現れてきます。早めに受診して、適切な治療を受けましょう。

角膜炎

角膜は黒目部分を覆っている膜の事ですが、ここに炎症が発生すると、角膜炎となります。角膜炎にはいくつか種類がありますが、いずれにせよ目をパチパチさせる事が増えたり、涙がいつもより多くでたり、目を気にする様子が出てきます。

重症な場合は手術が必要になることも。ペルシャやヒマラヤンなど、短頭種の猫は角膜が鈍感な傾向があり、異物が入ったとしても気がつきにくいので、注意した方が良いでしょう。

眼瞼炎

眼瞼とはまぶたの事ですが、まぶたに傷がついたり異常があったりするとまぶたが腫れあがり、まばたきが多くなる、涙が増える、目の回りが脱毛するなどの症状が現れます。

結膜炎や角膜炎を併発する事も多いです。やたらに目が小さくなっていたら、眼瞼炎かもしれません。早めに受診して、治してあげましょう。

眼瞼内反症

まぶたの構造に異常があったり、痛みなどが原因だったりすることで内側に反ってしまう病気です。主に下まぶたに起こりやすいですが、この病気になるとまぶたの痙攣や涙・目やにが増え、目をしきりにこすろうとするなどの症状が起こります。

原因は遺伝や体重の極端な減少などです。遺伝が原因の場合、ペルシャやヒマラヤンなどの俗に言う鼻ペチャ猫種の、1歳未満の子猫に好発します。結膜炎や角膜炎が一緒に起こることも多く、毛を剃るか手術をして治療を行ないます。

眼瞼外反症

前述の眼瞼内反症とは逆に、まぶたが外側に反り返ってしまう病気です。猫で起きるのは珍しいのですが、この病気にかかると常に涙ぐみ、結膜炎や角膜炎と同じ症状などが起こってきます。

極端な体重減少や老化や顔面神経マヒなどでの顔のたるみ、遺伝などが原因です。治療には結膜炎や角膜炎を治し、手術を行うことも。

猫にウインクをすると仲良くなれる?

頭を撫でられてウインクする猫

猫がウインクをしてくれた時、ウインクを仕返すと仲良くなれるという説があります。これは「ミラーリング効果」と呼ばれるもので、相手の動作をまねる事で、味方だと感じさせることができるのです。

人間同士でも良く、相手がお茶を飲んだら自分も飲むと、距離が縮まると言います。猫も同様で、猫があなたに向かってウインクやまばたきをした時に仕返すと、猫に仲間だと思って貰えるのです。

逆に、じ〜っと目を合わせるのは敵意を持っているという意味になってしまいますから、猫と仲良くなりたければ、なるべく視線を合わせるのは避けた方が良いようです。

もし目が合ってしまったら、すかさず反らすかウインク、もしくはまばたきをしてみると、敵意がなく好意を持っていることを伝えられます。それで猫が仕返してくれれば、もうそこに、信頼関係が産まれたと思って良いでしょう。

初対面の猫と触れ合う時も使えるテクニックです。気持ちが通じ合った瞬間は、何とも言えない幸せな気分になりますので、是非試してみてください。

まとめ

外でウインクする猫

確かに表情はあまり動かないものの、猫は様々な形で感情表現をしています。合っているかどうかは猫のみぞ知るですが、愛猫が今どんな気分でいるのかを推測するのは、飼い主としては楽しい時間です。

ウインクを活用して、猫ともっと仲良くなれたら、こんな嬉しいことはありません。

愛情を込めてウインクすれば、そこには猫とのラブラブ空間が、出現する事でしょう♪

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