猫の肺水腫とは  その症状や原因、治療の方法

猫の肺水腫とは その症状や原因、治療の方法

肺に水が溜まり呼吸困難などを引き起こす肺水腫。猫が肺水腫になる原因は何でしょうか。肺水腫は症状が急激に悪化すると、死亡率も高く大変危険です。早めに対応できるように肺水腫について理解しましょう。

848view

猫の肺水腫とは

あくびする猫

肺の機能

肺は空気中の酸素を取り込んで、不要な二酸化炭素を外に出す働きをしています。取り込んだ空気は肺の中にある袋状の『肺胞』という場所に入り、ガス交換が行われます。肺胞の周囲には毛細血管があり、流れてきた血液中の二酸化炭素が肺胞内の酸素と交換される仕組みになっています。

猫の肺に溜まる水の正体

金魚鉢と猫

猫が肺水腫と診断されたとき肺に溜まっている液体の正体は、毛細血管を流れる血液中の液体成分が肺胞の中へ滲み出たものです。空気を取り込む肺胞が液体で満たされることで、酸素をうまく取り込むことができなくなります。

猫の肺水腫の主な症状

階段で寝る猫
  • 呼吸困難
  • 食欲不振
  • チアノーゼ
  • 吐き気
  • よだれ

血液中の酸素が欠乏することで起こるチアノーゼ。人間ならば皮膚や粘膜、爪などが青紫色になるので気付きやすいですが、猫の場合は体の表面が毛で覆われているため、口の中などを注意して観察しないと確認できない可能性があります。

肺水腫は発症すると急激に症状が悪化し、命を落とすケースもあります。特に呼吸困難とみられる症状や複数の症状が現れたら、早急に病院で診てもらいましょう。呼吸困難からチアノーゼを起こし、失神してしまうこともあります。

猫の肺水腫の主な原因

ハートと猫

猫の肺水腫の原因は大きく分けて次の2つに分類されます。

  • 心臓の異常が原因(心原生肺水腫)
  • 心臓以外の原因(非心原性肺水腫)

心臓の異常が原因の猫の肺水腫

心臓に異常が発生すると、全身へ血液を送り出すポンプ機能が弱まり、血液が肺に留まっていきます。過剰に溜まった血液で毛細血管の圧力が上昇し、液体成分が肺胞や肺の表面を覆っている胸膜の隙間(胸腔)へ滲みだしてしまうのです。肺水腫と同時に胸に水が溜まってしまう胸水の状態になることも少なくありません。

心臓以外の原因の猫の肺水腫

猫が肺水腫を起こす心臓以外の原因には主に次のようなものがあります。非心原性肺水腫による急性症状の場合、処置が遅れると死亡率が高くなります。

  • 重症肺炎
  • 敗血症
  • 重症外傷
  • 有毒ガスに吸引
  • 血中たんぱくの減少(肝硬変、ネフローゼ症候群などによる)

猫の肺水腫の診断と治療法

聴診器と猫

肺水腫は発見が遅れると手遅れになることもあります。猫の呼吸が荒くて苦しそう、などの症状が見られれば、たとえ軽い症状であっても獣医さんに相談しましょう。心臓などの疾患を抱えた猫なら、なおさら注意が必要です。治療には入院を伴うこともあります。

肺水腫の症状を和らげる治療方法

  • 肺胞内の水分を除去
  • 肺の炎症を抑える薬の投与
  • 酸素投与
  • 血管拡張剤の使用
  • 人工呼吸を施す

肺胞内の水分除去には利尿薬などが使用されます。胸水の場合は注射針で液体を抜くことも可能ですが、肺水腫の場合は注射針による治療はできません。

肺水腫の原因となる病気の治療

心臓病をはじめ多くの原因で起こる肺水腫。まずは病院でレントゲン検査など詳しい検査を受けて原因となる病気を確認しましょう。完治が難しく、治療費が高額になる場合もあるので、獣医さんとよく相談しながら治療方針を決めていくとよいでしょう。

まとめ

撫でられる猫

肺水腫はどの猫にでも起こり得る病態です。肺水腫になって初めて心臓の疾患などに気付くこともあるでしょう。心臓の疾患は初期の状態では症状が現れにくく、気付いた時には進行していることが多いのです。

人間であれば少しおかしいなと気付くことができますが、猫は自分の体調のわずかな変化を飼い主さんに伝えることはできません。また、猫は体の不調を隠そうとすることも少なくないのです。それゆえ定期的な健康診断が重要になります。

猫は体が小さいため、呼吸困難などの症状が現れるとすぐに状態が悪化する可能性が高くなります。猫にとって、とても苦しい肺水腫。早期発見、早期治療のために健康診断を受けさせることはもちろんですが、普段からしっかりコミュニケーションやスキンシップをとっておくことも大切ですね。

人気のキーワード