猫がアボカドを食べるのはNG!危険性や食べた時の対処法

猫がアボカドを食べるのはNG!危険性や食べた時の対処法

「栄養価の高さは世界一」とされるアボカドですが、猫にとっては有害な食べ物なのです。猫に与えてはいけない理由や、食べてしまったときの対処法を見ていきましょう。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫にアボカドを与えてはいけない理由

アボカドの木と果実

アボカドの「ペルシン」が猫に有害だから

アボカドは世界一栄養価が高い果実として有名ですよね。ビタミン、ミネラルが豊富で不飽和脂肪酸が含まれるなどメリットが多い食べ物です。しかし、アボカドには「ペルシン」という成分が含まれています。

このペルシンは殺菌作用があると言われる反面、毒性もあり、猫が食べると中毒を起こしてしまう危険な成分です。猫以外の家畜でも中毒を起こすため、与えてはいけない食べ物とされています。

アボカドの茎や葉っぱに毒性がある

しかし、なぜ猫にとってアボカドに含まれるペルシンが有害なのでしょうか。実ははっきりと解明されていません。ペルシンは果実よりも種子や葉、茎に多いとされています。アボカドを食べた後の種子から育てる方法がありますが、葉や茎を猫が誤って食べないようにすることが必要です。

また、アボカドは品種が多く、それぞれペルシンの含有量が異なるのも特徴です。最近では、アボカドの種子も健康やダイエットにいいとされ、お茶にしたりスムージーにしたりとレシピが多くなっていますが、人間用なので猫に種子を食べさせてはいけません。

猫がアボカドを食べた時の対処法

聴診器をあてられる猫

猫がアボカドを食べたらすぐに病院へ

果実を舐めた程度や少量なら様子を見るくらいでいいですが、果実を多く食べた場合や葉、種子を食べてしまった場合は、かかりつけの動物病院に相談した方が安心です。

嘔吐や下痢などの症状があらわれたら、すぐに動物病院を受診しましょう。吐き出した中にアボカドがあるかを確認します。たとえアボカドを吐き出しても、その成分を吸収している場合にはしばらく症状が続くこともあるようです。

アボカドを猫が食べた量や場所を伝える

アレルギーや猫の体質によって症状の重さが違うからです。食べてからどのくらい時間が経過したのか、食べた部位と量、今の猫の状態を伝えます。場合によっては病院で吐かせる処置が必要です。

猫がアボカドの種子を飲んでしまった時は

種子を飲み込んでしまい、種子が胃を通過してしまったら開腹手術が必要になることもあります。早めの処置が大切です。猫は種子で遊んでいるうちに誤飲して手術など苦しい思いをしても、アボカドの種子はおもちゃとして記憶していることがあるので、目に触れないようにします。

アボカドの種はかなり大きいので簡単には飲み込めないと思いますが、喉や食道にひっかかってしまう可能性もあります。呼吸困難になってしまうことも考えられますのでくれぐれも目に付くところに置かないようにしましょう。

普段アボカドになれている猫の場合

アボカドを食べても平気な猫も、普段より多く食べた場合は体調の変化に注意しましょう。猫がアボカド単体に興味を持たなくても、肉類など他の食材と調理をすることで食べたがるかもしれません。目を離したすきに食べてしまうこともあるので、アボカドが入った食べ物の管理は十分にする必要があります。

猫がアボカドを食べた時の症状

うずくまる猫

嘔吐・下痢・軟便・呼吸困難・けいれん

猫がアボカドを食べてすぐに症状があらわれることもあれば、数時間経過してから症状があらわれることもあるようです。「どのくらい食べたら危険なのか?」という目安があれば分かりやすいのですが、ペルシンの毒性についてまだはっきりと解明されていないため、致死量などもわかっていません。

猫にアボカド中毒は謎が多い

観葉植物のアボカドの葉を1cm程度食べてしまっただけで嘔吐を繰り返した猫もいます。その一方で、アボカドが好きで果実を一切れ食べても平気な猫もいるのです。

アボカドの種子に注意

アボカドの種子を誤飲してしまうこともあります。猫の誤飲で「果実の種子」は上位に入るほどです。飲み込んだときや吐き出すときに呼吸困難になったり、胃を通過して腸閉塞を起こしたりする可能性があります。腸閉塞を起こすとお腹を触るのを嫌がり、元気がなくなくなります。

猫にアボカドを使った製品は大丈夫なの?

野菜畑にいる猫

猫用品に含まれるアボカドは問題ない

キャットフードの中には「アボダーム」など、アボカドを原材料にしている製品もあります。「猫に有害なペルシンが含まれるのでは?」と心配するかもしれませんが、アボカドの品種や使用する部位、ペルシンを含まないアボカドオイルなど選んで作られているため問題はなく、アボカド中毒の報告も今までないそうです。

猫用品に含まれるアボカドの効果

キャットフードの他にアボカドオイルを配合した犬猫用シャンプーやローションなどもあります。アボカドに含まれるビタミンやミネラルは皮膚や被毛を健康に保ち、抗酸化作用、コレステロールを下げる働きが期待できます。

アボカドオイルの入ったシャンプーを使用すると被毛がサラサラふわふわになり、フケやニオイも取れるとリピーターが多いようです。

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まとめ

アボカド

アボカドは「ペルシン」という成分が猫に有害なため、与えてはいけません。果実や葉、食べた量、体質にもよりますが嘔吐や下痢などの症状があらわれることがあります。猫が食べてしまったら、まずは動物病院に相談した方が安心です。

ペルシンについてはまだ分からないことが多く、猫の体質によっては症状が重くなってしまうからです。また、種は誤飲の可能性があり、呼吸困難や腸閉塞の原因にもなります。場合によっては開腹手術が必要になることもあります。

美容や健康に良いとアボカドオイルが注目されていますが、人間用の製品は与えないようにするのがベストです。

しかし、飼い主さんからすれば「できるだけ栄養価が高いものを愛猫にも与えたい」という気持ちはありますよね。アボカドを安全に使用したキャットフードやシャンプー販売されていますので、そういった物を使ってみてはどうでしょうか。

その他、猫が食べていいもの・悪いもの

今回紹介した食材以外にも、人間には安全でも、与え方や量によっては猫にとって有害な食べ物が数多くあります。場合によっては命に関わるような食材もあるため、飼い主さんは正しい知識を身につけておくことが必要です。万が一のことが起こってしまわないよう、「猫が食べていいもの・悪いもの」を事前にチェックしておきましょう。

猫が食べてはいけないもの一覧
投稿者

40代 女性 のっぽ

猫ちゃんにとって、アボガドはペルシンという成分が有害になるのですね。
うちの猫ちゃんはアボガドを食べます。しかしほんのちょっとしか与えません。味が好きなようです。しかし、与えすぎには気を付けます、種を転がして遊ぶことが多々あるのですが、目を離さないように監視しています。中毒を起こしたことはまだないのですが、アボガドを与えすぎて中毒になってしまわないように気をつけて与えます。一度、吐いたことがあるので、中毒になったのかもしれません、動物病気がお休みだったので、連れていけなくて猫ちゃんの様子を見てしんぱいしていたのですが、ペルシンという成分は怖いのですね。

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