猫の病気の代表的な病名4つとその症状

猫の病気の代表的な病名4つとその症状

かかりやすい猫の病気はどんなものがあるのか知っていますか?大切な愛猫と長く暮らす為にも代表的な猫の病気や対策を知ることは大切なことです。是非この記事の情報を参考にして猫の病気について学んでみてください。

SupervisorImage

記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

代表的な猫の病気一覧

目を隠して眠る猫
  • 猫風邪
  • 慢性腎不全
  • 猫回虫症
  • 皮膚糸状菌症(白癬)

猫はその猫種や毛色、目の色、系統によってかかりやすい猫の病気や遺伝疾患などが存在します。例えば、青い瞳の白猫はそのからだの中にある遺伝子の影響で聴覚障害を持つ猫が多かったり、ロングコートの猫ちゃんは毛玉がお腹に溜まり吐き出せなくなる毛球症にかかりやすかったりと、猫ちゃんが持つ特徴によって様々な猫の病気が存在します。

そんな中、上記5つの病気はどの猫種の猫ちゃんもかかりやすく動物病院でも多く見られる猫の病気です。それぞれがどんな病気なのか?症状や予防法、治療法をそれぞれ見ていきましょう。

代表的な猫の病気 猫風邪

目が腫れている猫

症状

  • 呼吸が荒くなる(頻呼吸)
  • 鼻水、咳、くしゃみ、発熱、目やに
  • 食欲不振
  • 下痢
  • 元気がなくなる

猫風邪は、猫ウイルス性鼻気管炎ともいい、ウイルス等の感染により症状が現れます。元気がなくなり食欲不振・発熱や脱水を起こす場合もあります。

特にまだ免疫力も体力もない生後3カ月未満の子猫は、猫風邪が原因で衰弱し最悪の場合死に至ることも珍しくない恐ろしい猫の病気です。また、角膜炎や結膜炎を同時におこし目やにも見られます。

猫風邪の原因

  • ウイルス感染が原因ですが細菌が二次感染する場合もあります
  • カリシウイルス
  • 猫ヘルペスウイルス

原因となるウイルスは猫カリシウイルス、猫ヘルペスウイルスが中心です。クラミジアや細菌などが二次感染する場合もあります。

猫風邪の恐ろしいところは一旦感染すると体内にウイルスが留まり、免疫力が低下すると繰り返し再発するところです。

猫風邪の治療法

  • インターフェロンの投与
  • 抗生物質
  • 点滴
  • 目薬など

猫風邪の治療法は主にインターフェロンの注射か内服、抗生物質の投与といった対症療法となります。それと同時に脱水・栄養不足には点滴、目やには目薬といった症状に合わせてお薬が処方されます。

猫の病気はたかが風邪と放置してしまうと、子猫や高齢猫の場合症状が悪化し肺炎を併発し死に至ることもあります。症状が現れたら早めに獣医さんの診察を受けましょう。

猫風邪の予防法

猫風邪のもっとも効果的な予防法は、定期的なワクチン接種です。子猫のうちは生後2ヶ月頃に1回目、その1ヶ月後に2回目のワクチン接種を受けます。その後は年に1回ワクチン接種をすることになります。

また、室外に出ると他の猫ちゃんとの接触により猫の病気の原因となるウイルスに感染することもあります。完全室内飼いをすることが予防へとつながります。

腎臓で発症する猫の病気「慢性腎不全」

蛇口から水を飲む猫

慢性腎不全の症状

  • 体重の減少
  • 水の多飲
  • 多量の排尿
  • 他の病気により併発する恐れも

慢性腎不全とは、腎臓が数ヵ月~数年かけて破壊され腎臓機能不全に陥る猫の腎臓病です。

慢性腎不全の他に急性腎不全も存在します。急激に腎臓の構造が破壊されていくため症状が一気に重く出ます。治療が遅れると腎機能が回復できず数日で亡くなるケースもあります。

初期の症状は、水を大量に飲み多量に排尿する様子と体重減少が見られますが注意深く観察しないと気づかないことも多く異変を感じて病院に連れていったときにはすでに症状が進行していることもあります。

猫の慢性腎不全の原因

  • 他の病気が引き金となり発症する
  • 猫伝染性腹膜炎(FIP)
  • 急性腎不全
  • 猫エイズ
  • リンパ腫
  • 猫白血病ウイルス
  • 加齢
  • その他の部位の感染症

慢性腎不全は他の猫の病気が引き金になりおこることが多いです。主な引き金となる猫の病気は、猫伝染性腹膜炎(FIP)、急性腎不全、猫エイズ、リンパ腫、猫白血病ウイルスなどがあげられます。よって、慢性腎不全は様々な要因により発症するため何が原因か特定するには困難です。

猫の慢性腎不全の治療法

慢性腎不全は完治しない猫の病気です。慢性腎不全による猫の病気が発見されると腎不全の機能停止を緩和させるために食事療法と内科治療が行われます。

タンパク質やリンやナトリウムが処方された療法食のキャットフードと、身体の電解質を調整する治療を行うことになります。慢性腎不全は早期発見により、その症状を抑えることが鍵です。

猫の慢性腎不全の予防法

慢性腎不全は他の猫の病気が引き金になることもあるので、定期的なワクチンの接種と完全室内飼いを徹底することが、結果的に慢性腎不全の予防法となります。

慢性腎不全の症状が現れるときには腎機能の3/4が失われています。これほどまでに機能が失われない限り目に見える症状として現れません。定期的に健康診断を受け早期発見することが大切です。

他の猫の病気、それぞれの予防も忘れず、少しでも異変を感じたら獣医さんに相談することが予防法です。

寄生虫による猫の病気「猫回虫症」

横になる猫

症状

  • 無症状が多い
  • 元気がなくなる
  • 毛艶がなくなる
  • 便秘や下痢
  • 食べても太らない

猫回虫は猫の小腸に寄生し栄養分を横取りする寄生虫です。猫回虫に感染すると、軽い下痢が見られるほか猫回虫に栄養分を取られるため、食べているのに痩せていくという症状に見舞われます。

猫回虫症の原因

  • 猫回虫が小腸に寄生することにより発症
  • 経口感染
  • 多頭飼いの場合感染が広がる

猫回虫が小腸に寄生することが原因です。猫回虫の感染経路は経口感染で、猫回虫の卵を含んだ土壌や糞などが口から入り感染します。その為、多頭飼いの場合1匹が猫回虫に感染すると、ほかの猫にも感染する事例が多いです。

猫回虫症の治療法

駆虫薬を用いた治療が行われます。徹底的に駆虫しないと猫回虫はとてもしぶといので、駆虫薬は治療が完了するまで飲むことと、多頭飼いの場合他の猫ちゃんにも回虫が感染している場合が考えられるので、症状がなくても診断を受けるか予防的に駆虫薬を飲む必要があります。

猫回虫症の予防法

猫回虫は経口感染するので、完全室内飼いにすることと、新しい猫ちゃんが来たときに回虫がいないかしっかりと検査を受けてから先住猫と接触させることが大切です。また定期的に便検査を受けることで早期発見をすることが、症状をひどくさせない予防法となります。

皮膚に現れる猫の病気「皮膚糸状菌症(白癬)」

お風呂に入っている猫

皮膚糸状菌症(白癬)の症状

  • 顔や耳や四肢に楕円形の脱毛ができる
  • かさぶたができる
  • かゆみが伴う場合もある

皮膚糸状菌症(白癬)とは、顔や耳や四肢に円形に近い脱毛ができその箇所にカサブタやフケがたまり、時にはブツブツができ稀にかゆみが伴うこともあります。

皮膚糸状菌症(白癬)の原因

皮膚糸状菌症の原因は真菌(カビ)によるものがほとんどです。皮膚糸状菌症の猫と接触し真菌が感染することによって症状が発症します。子猫や精神的・身体的ストレスを抱えている猫は感染しやすいという報告もあります。一度感染するとなかなか治らず、脱毛した箇所を気にしすぎてさらに症状が広がるという悪循環もおこることがあります。

皮膚糸状菌症(白癬)の治療法

治療法は内服薬の他、専用のシャンプーを使っての薬浴、抗真菌薬のローションや軟膏を塗ることで治療します。ローションや軟膏を塗る前には患部の毛を剃り軟膏やローションを塗りやすくする必要があり、場合によっては身体全体の毛を刈る必要があります。

皮膚糸状菌症(白癬)の予防法

真菌に感染している猫との接触を避けることが一番の予防法です。特に野良猫は真菌に感染している確率が非常に高く、愛猫自体が感染していなくても、飼い主様が真菌に感染している猫を触った手で愛猫に触って感染する場合もあります。野良猫や知らない猫に触った場合はしっかりと手洗いをしてから愛猫を触るようにしましょう。

また、原因になる真菌は皮膚に常在しているものでもあります。抵抗力が落ちてしまったときに感染が起こりますので、体調管理には十分気を付ける必要があります。

まとめ

病院にいるオッドアイの猫

今回は代表的な4つの猫の病気をご紹介しました。この他にも結膜炎、猫伝染性腹膜炎(FIP)、猫白血病、悪性腫瘍など様々な病気があります。今回ご紹介した猫の病気も他の猫の病気も共通して言える症状は

  • 食欲がなくなる
  • 元気がなくなる
  • 体重の減少

などがあります。また定期的なワクチン接種、体重管理、食事量の管理、完全室内飼いの徹底などが共通した予防方法です。

普段の愛猫の様子とは違うと感じたら迷わず動物病院に連れて行ってあげてください。愛猫の健康を守れるのも、命を守れるのも飼い主である貴方だけです。日頃から猫の病気を予防し、愛猫と幸せな生活を送るためにしっかりと健康管理をしてあげてくださいね。

投稿者

40代 女性 かな

我が家の猫ちゃんは、子猫の時にカリシウスウィルスにかかりました。
ぐったりしていて、鼻水が出てくしゃみをしていました。子猫なのですぐに獣医さんに診ていただきました。カリシウスウィルスに感染していることがわかりまして、すぐに治療しました。点滴をしたり、注射をしたりとよく耐えてくれました。今は、病気ひとつせず元気に過ごしています。
投稿者

30代 女性 ひなた

実家で飼っている猫ちゃんがよく、猫風邪を引きます!
鼻風邪で終わる場合と、熱が出て長引く場合があります。早めに獣医師に診ていただくことが一番ですが動物病院が休みのときには、体を暖めてよく寝かせます。食欲がない場合は特別に、ちゅ~るを与えます。喜んで食べますのでそのうちに、食欲も戻ってくるようです。
いつも、元気な猫ちゃんなので心配になりますが早めの処置ですぐに治ります。
様子がいつもと違うときには、獣医師に診ていただいてお薬をいただきましょうね。

スポンサーリンク