猫の腹膜炎は致死率が高い病気!症状や原因、治療法から予防法まで

猫の腹膜炎は致死率が高い病気!症状や原因、治療法から予防法まで

猫の腹膜炎を知っていますか?猫の命を奪ってしまう、恐ろしい病気がいくつかあります。腹膜炎はその中の1つです。しかも猫の腹膜炎は、確定診断や治療法が未だに確立されていないので、獣医師にとっても困難な病気なのです。猫が一度腹膜炎にかかると、ほとんどが死に至る、飼い主としてはかかって欲しくない病気です。愛猫を守るために、腹膜炎のコトを知っておきましょう!

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監修:獣医師 平松育子先生

(ふくふく動物病院)

猫の腹膜炎とは

ソファでぐったりする猫

猫の腹膜炎は、正確には猫伝染性腹膜炎(FIP)という病気です。一度発症すると様々な症状が現れますが、急激に容態が悪くなることもあれば、数ヶ月間で徐々に悪くなっていくこともあります。病気にかかった後のことを「予後」と言いますが、猫の腹膜炎の予後はあまり良いものとは言えません。悲しい結果になってしまう場合がほとんどです。ですが、猫が腹膜炎にかかっても、生活の質を高めて寿命を伸ばすような治療薬が存在しています。

腹膜炎にかかりやすい猫

猫の腹膜炎は、3ヶ月の子猫から3歳位までの若い猫に多い病気です。
また10歳以上の老猫、純血種の猫も腹膜炎にかかりやすいです。

猫が腹膜炎になると現れる症状

獣医と猫

猫の腹膜炎には、2種類の症状があります。
1つは「ドライタイプ」と呼ばれるもので、もう1つは「ウェットタイプ」と呼ばれています。

ただし、どちらか1種類の症状になるのではなく、両方を併発することもあります。また、ドライタイプの後にウェットタイプの症状が現れることもあります。

猫の腹膜炎の症状1:ドライタイプ

ドライタイプは、体重の減少や発熱、元気がなくなるなどの慢性症状をともないます。さらに、体中の臓器に「肉芽腫」という炎症を伴う小さな腫れ物ができるため、様々な症状が現れ始めます。肉芽腫ができる場所によって、現れる症状は異なります。例えば、頭が前の方に傾いたり、目が震えたり、粗相をするようになったりすることもあります。ドライタイプは、免疫力の低い猫が発症することが多いと言われています。

猫の腹膜炎の症状2:ウェットタイプ

次にウェットタイプですが、ドライタイプと違う点は、胸やお腹などの体内の隙間に、液体が溜まってしまうところです。そのため、お腹が異常に膨らんだり、胸に水が溜まることで呼吸困難を起こしたりします。初期症状としては、発熱、食欲減退、脱水症状などです。ドライタイプよりも診断しやすいようです。ですが予後は悪く、数日から数ヶ月で死に至ってしまうことがほとんどです。

猫が腹膜炎になる原因

頭に水袋を乗せている猫

40%以下の飼い猫が、腹膜炎を引き起こす猫コロナウイルスというウイルスに感染したことがあると言われています。猫コロナウイルスは、それほど害をもたらすものではありません。それがなぜか突然変異して、腹膜炎の原因となるFIPウイルスになってしまうのです。変異する原因ははっきりとしていませんが、ストレスや免疫力の低下と言われています。

猫コロナウイルスは感染力が弱いのですが、だからと言って油断はできません。感染している猫の唾液や排泄物にウイルスがいることがありますので、多頭飼いで感染猫がいる場合は、食器やトイレなどは共有しない方が良いでしょう。

猫の腹膜炎を治療する方法

薬

猫の腹膜炎については、残念ながら、現在完治する治療法というのはありません。FIPウイルスをやっつける薬がないからです。また、発症のメカニズムも分からないことが多いので、効果的な治療方法は確立されていません。ですから、猫の腹膜炎に対しては、症状を和らげる対症療法を行います。

ステロイド剤で炎症を抑える、インターフェロンで症状を軽減し、寿命を伸ばすという効果が、特に高齢猫で多く見られるようです。治療薬の研究開発は日々進んでいます。なるべく早く、効果的な薬ができあがることが期待されています。

猫の腹膜炎を予防する方法

気持ち良さそうな猫

普段は大人しいコロナウイルスが、腹膜炎を引き起こす、有害なFIPウイルスに突然変異してしまうのには、猫のストレスや免疫力の低下が原因だと言われています。確実にそれらが原因だとは言えませんが、なるべく愛猫にとってストレスフリーな環境を作ることや、免疫力を下げないように注意することが、腹膜炎の予防につながる可能性があります。心がけていきたいですね!

猫の腹膜炎を診断する方法

二人の医師と猫

猫の腹膜炎は、確定診断がしづらい病気としても知られています。確定診断する「バイオプシー」という方法はあるのですが、これを行うには愛猫に麻酔をかけなければいけません。ただでさえ具合の悪い猫に麻酔をかけるので、愛猫への負担などを考えると、行うのに躊躇する飼い主さんが多いのです。ですから、実際に行われることはあまりありません。

そのため、獣医師は腹膜炎の疑いのある猫のプロフィールや、猫コロナウイルス抗体や猫コロナウイルスPCR検査など、バイオプシー以外の検査結果から、総合的に見て判断をしなければいけません。バイオプシーを行わない限り、確定診断とは言えませんので、現状では猫の腹膜炎を確定診断できる可能性は低いということです。

このような背景から、猫の腹膜炎はたびたび誤診されることもあります。インターネット上で「愛猫の腹膜炎が治った!」と書かれている情報もありますが、本当は違う病気だったのでは?というケースも多いようです。

まとめ

遠くを見ている猫

猫にこんな恐ろしい病気があるなんて、ご存知でしたか?飼い主さんの誰もが、愛猫には腹膜炎にかかって欲しくないと思うことでしょう。腹膜炎の予防には、なるべく健康的な生活を送らせることが、非常に重要となってきます。愛猫を腹膜炎から守るために、できることをしていきましょう!

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