猫シェルターとは 日本と海外の活動

猫シェルターとは 日本と海外の活動

最近では、東京都の小池知事が殺処分ゼロを目指すことを公言されたり、殺処分ゼロを達成した市がニュースに取り上げられたりするなど、猫や犬の殺処分について考えさせられる機会が増えてきています。殺処分ゼロの裏方として、猫や犬を保護するシェルターの存在があります。動物愛護先進国といわれる国と日本の違い、日本で行われている保護活動や猫シェルターについてまとめました。

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猫シェルターとは

保護された猫たち
  • 放棄、虐待された猫や犬などの動物の保護施設
  • 民間団体や個人運営などのシェルターがある

シェルターは保健所や動物愛護センターなどに収容されている、人間の身勝手な理由で放棄、虐待をされた猫や犬などの動物と、新たな飼い主との架け橋の役目を担っている保護施設です。1頭でも多くの猫や犬の命を救うために、民間団体や個人運営など、様々な形でシェルターが運営されています。

欧州最大級 猫などのシェルター「ティアハイム」

シェルターの猫たち
  • ティアハイムとはドイツにある保護施設
  • 広大な敷地で猫などを保護している

ドイツの民間動物保護協会が運営する保護施設”ティアハイム”。シェルターに興味を持つ人は、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

ティアハイムは広大な敷地で様々な動物達を保護している

欧州最大級のシェルターといわれるティアハイムは、東京ドーム4個分程の広大な敷地に猫や犬、ウサギ、爬虫類、馬、羊など、様々な動物が保護されています。

猫が快適に過ごせるよう様々な配慮がされてる

  • 爪とぎやおもちゃ、ベッドなどがある
  • シニア猫棟
  • 野良猫棟

シェルターの猫棟は、ガラス張りの清潔な部屋に、爪とぎやおもちゃ、ベッドが置かれ、テラスへの出入り口も設置されています。

また、シェルターには10才以上のシニア猫棟や野良猫棟までが準備されていることから、猫がストレスなく快適に生活するために配慮、尽力されていることがよくわかりますよね。

ティアハイムの譲渡率は90%

また、ティアハイムの譲渡率は90%を越えるといわれており、殺処分施設はなく、病気や障害などで譲渡が難しい動物も、生涯を快適な施設で過ごすこととなります。

引き取りが難しい猫にはスポンサーがつく

重い心臓病などを持つ、引き取りが難しい猫においては、治療費を支援したいというスポンサーがつく場合もあるといいます。

従業員・ボランティアの数

  • 従業員:140人
  • 医師、看護師:10名
  • ボランティア:約600人

年間で約1万頭以上の動物を引き取るというティアハイムの従業員は、140人ほど、敷地内に併設されている病院内の医師、看護師がそれぞれ10名ほどです。

これだけ広いシェルターを清潔に保ち、猫や犬たちの体調管理までを140人でこなすことは不可能ですよね。それを支えているのが約600人のボランティアの方々だといいます。

寄付に支えられるシェルター

また、ティアハイムの施設の年間維持費約800万ユーロ(約10億4000万円)は、市民や企業からの寄付、遺贈金で賄われており、人々の動物への深い愛で運営されている施設といえます。

日本の猫シェルターや行政の活動

猫カフェの猫たち

日本も猫や犬の殺処分ゼロ運動に力を入れている行政、民間団体、個人の方々が増え、少しずつですが、救うことのできる命が増えてきています。

近年では殺処分ゼロ連続達成をした市もあり、特に猫の年間殺処分数はここ10年程で20万頭近く減少しています。

日本で運営されるシェルターの形

日本では、以下のような形で、猫などのシェルターが運営されています。

  • NPO団体が運営する大規模な動物シェルター
  • 民間団体や個人が運営する開放型シェルター
  • 猫カフェ型シェルター

特に、猫カフェ型シェルターは、全国で200件以上運営されています。

猫シェルター運営の費用

  • シェルター運営には維持費、人件費、治療費、食事代など必要
  • 寄付金、ボランティアの数が足りていない

施設の設備はもちろん、シェルターで保護した猫すべてに、動物病院にてノミダ二駆除、猫エイズや猫白血病など多数の項目の血液検査、適齢期には避妊、去勢手術などの費用が必要になります。

命を預かるということに、24時間、365日休みはありません。日々、シェルターや猫たちの清潔を保つための掃除やお手入れ、もちろん栄養バランスを考慮した食事も必要ですよね。

施設の維持費、人件費、治療費、食事代…、たとえ個人運営の小さな猫シェルターであっても、その運営費は決して安いものではありません。

日本では動物保護施設を運用するための寄付金、ボランティアの数が、救いを求める命に対して圧倒的に不足しているのが現状です。

クラウドファンディングにより実現した猫シェルター

寄付が圧倒的に不足していると書きましたが、近年ではインターネット経由で寄付を募る、クラウドファンディングのプロジェクトにより運営が実現した猫シェルターが多数あります。

  • 保護猫シェルター付きゲストハウス
  • 感染症にかかる恐れや障害のある猫シェルター
  • 猫シェルター附属動物病院

上記の他にも、猫カフェ型シェルターの起業金を募るプロジェクトや、既に運営されているシェルターの改装、設備補充などのプロジェクトも多数達成しています。

猫シェルターの現状 日本は動物愛護の後進国といわれる理由

寄り添う犬と猫

”日本は動物愛護がイギリスよりも100年遅れている”という言葉が有名ですが、動物愛護の先進国といわれるイギリス、ドイツ、アメリカなどでは、どのような動物愛護活動が行われているのでしょうか。

日本では刑罰が軽い

日本のシェルターに保護される猫には、虐待を受けた子も少なくないです。猫の虐待をニュースで目にすることもあるかと思いますが、日本では刑罰が軽いというのも一因かもしれません。

海外ではペットを「購入する」概念が一般的ではない

まず、上記の動物愛護先進国では、ペットを「購入する」という概念が一般的ではありません。ペットショップは存在しますが、猫や犬などの生体の陳列販売は禁止、または自粛しており純血種にこだわらない人は、保護団体が運営するシェルターから、猫や犬を迎えます。

ブリーダーから購入する際は厳しい審査

純血種に関してはブリーダーから購入します。ブリーダーからの購入の際も、責任をもって命を迎えることが可能であるか、厳しい審査がある場合がほとんどのため、過剰な生体繁殖の防止にもなっているといいます。

このあたりも、猫を手軽に買えてしまう日本とは、大きな差があります。日本では、悪質なブリーダーが過剰に猫を繁殖させて、親猫がシェルターに保護される場合もあります。

動物虐待に関する刑罰

また、動物虐待にも懲役刑や100万円以下の罰金刑など重い罰則があり、人々の動物への愛情の深さや動物愛護の観念など、根本的な部分で日本とは大きな差があるように感じます。

猫シェルターのために誰にでもできる保護活動とは

ノートパソコンの前でOKサインをする女性

地域猫の避妊、去勢を推進する活動や、シェルターでのボランティア活動や寄付など、できることはたくさんあると分かっていても、なかなか行動に移せない人は少なくないと思います。

できることなら、どの猫も引き取って育てたいと思う気持ちがあっても、現実的には難しいですよね。すでに猫を引き取っており、これ以上は飼えないという方や、仕事や家の事情で引き取ることはできないという方にも、ひとつでも多くの命を救うためにできることはたくさんあります。

保護団体やシェルターへの寄付金、物資の寄付など

まず、ご自身がお住まいの地域で活動されている猫シェルターの調査から始めてみましょう。どんな活動が行われているのか、ボランティアの募集はされているのか、どんなものが必要なのかが分かれば、ひとつでもできることがあるかもしれません。お金やペット用フードだけでなく、キレイなタオルや毛布の寄付を呼びかけている団体も少なくありません。

保護猫カフェなど開放型の施設を利用する

多くの猫カフェ型シェルターは、1時間1000円前後の料金で利用することができます。引き取ることができない場合は、譲渡会の開催日時などを避け、猫カフェを利用することで、シェルター運営費への寄付になります。

クラウドファンディングのプロジェクトを支援する

上記で紹介したクラウドファンディングを利用することで、遠方であっても、インターネットでプロジェクトの支援が可能です。また、どのようなプロジェクトなのか、詳しく説明されていることや、目標額を達成できなかった場合は支援金が返金される仕組みであることから、安心して支援することができます。プロジェクトによっては、数百円から支援することが可能です。常時10件前後の猫シェルター運営プロジェクトが支援を募っていますので、是非一度ご覧になってください。

まとめ

我が家の猫保護時の写真

我が家にも、里親募集でお迎えした猫がいます。姉妹3匹でシェルターに保護されたのですが、体にいいものを食べさせてあげたい、万が一のときにできる限りの治療をしてあげたい、そんな思いから悩みに悩んだ結果、1匹だけを引き取ることに決めました。無事、他の2匹にも里親が見つかったと聞いたときは、心底ほっとしたことを覚えています。

これ以上私にできることは何もないと思った時期もありましたが、クラウドファンディングなどの猫シェルター支援方法を知ったとき、まだできることはあったのだと迷わず参加しました。金額は少なくても構わないのです。たとえひとり100円以下の支援であっても、たくさんの人が支援することによって、救える命があるということが、動物愛護先進国に負けないくらい、日本にも浸透することを願っています。

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