猫の目の色の豊富な種類とその特徴

猫の目の色の豊富な種類とその特徴

猫の目の色にはたくさんの種類がありますが、そのどれもがキラキラと光る宝石のようで思わずウットリしてしまいます。主に茶色から黒っぽい色の瞳を持つ私たち日本人にとっては、バリエーション豊かな猫の目の色は特に魅力的に映るのではないでしょうか。そんな魅惑の猫の目の色について見ていきましょう!

生まれたときの子猫の目の色

子猫

猫の目の色は、虹彩に含まれるメラニン色素の量によって異なります。虹彩とは目に入ってくる光の量をコントロールする組織のことで、この虹彩のメラニン色素の量が多いか少ないかで、さまざまなバリエーションの猫の目の色が生まれています。

猫の目は、生後1週間ほどで開くようになります。しかしまだ目は見えていません。この時点では種類にかかわらず子猫たちはみんな「キトンブルー」と呼ばれる灰色っぽい青い目の色をしています。

生後2週間頃から目が見えるようになり、さらに2~3ヶ月後になると両親から受け継いだそれぞれの猫の目の色へと変化していきます。ちなみに猫の生後2~3ヶ月は、人間の年齢に換算すると3歳ほどです。

日本猫に多い目の色 カッパー

カッパーの猫

猫の目の色の中で銅色とも呼ばれるカッパーは、虹彩に含まれるメラニン色素が一番多い場合に現れる色です。茶色っぽい色から赤みがかった色までそれぞれですが、日本猫に多く見られる目の色です。

一般的に寒い地域に生息する動物ほど、メラニン色素の量は少なくなります。寒い地域では、少ない日照時間のうちにできるだけ効率的に光を取り込む必要があるからです。メラニン色素の量が少ないと、少しの日光でも体内に取り入れやすくなります。

日本はどちらかといえば温暖な環境です。暖かい地方に暮らす場合、今度は逆に照り付ける日光から目を守らなくてはいけません。そのため、メラニン色素を多く持った日本猫は濃い目の色になることが多いと考えられています。

猫の目の色の定番 アンバー

アンバーの猫

アンバーとは琥珀色のことです。茶色と表現されることもありますが、黄色や黄色みを帯びた橙色という表現の方がしっくりくるでしょう。
アンバーの目の色を持つ黒猫などは「これぞ猫!」といった感じがします。ミステリアスでカッコいいですよね。アンバーの目の色というと、劇団四季の「キャッツ」のポスターを思い出すのは筆者だけでしょうか。

猫の不思議な目の色 ヘーゼル

ヘーゼルの猫

茶色と緑が混ざったようなきれいなグラデーションを示す猫の目の色がヘーゼルです。ヘーゼルナッツが色名の由来です。日本語ではハシバミ色と表現されます。
洋猫の血の入った日本猫の目の色としても比較的多く確認することができます。人間でもハーフやクォーターの人に多い色です。ハーフっぽくなりたいと憧れる女性にもヘーゼル色のコンタクトレンズは人気ですよね。

寒い地域の猫に多い目の色 グリーン

グリーンの猫

グリーンの目の色を持った猫は、純粋な日本猫ではほとんど見かけることはないでしょう。グリーンやブルーの目の色は、メラニン色素が非常に薄い場合に発現します。そのため、寒く日照時間が短い地域に暮らしてきた猫の目の色として多く見られます。

しかしこのグリーンの目は、私たちの目にはしっかりと緑色に見えますが、実際には目の色は透明に近いのです。「レイリー散乱」と呼ばれる光の錯覚によって、ごくごく微量に含まれている色素の色があたかも濃い色のように見えているのだそうです。空が真っ青に見える現象と同じことが、猫の目の色でも起こっているのですね。

白猫に多い澄み切った目の色 ブルー

ブルーの猫

グリーンと同じく、ほぼメラニン色素を持たない白猫に多いのがブルーの目の色です。寒い気候のヨーロッパなどで暮らしてきた先祖をもつ猫に多いです。

ブルーの目の色をした白猫は生まれつき難聴の子が多いといわれますが、100パーセント難聴になるわけではありません。また、ブルーの目の色をした猫は色素が薄いため紫外線に弱いといった特徴をもちます。猫はひなたぼっこが大好きですから、きちんと対策をした上で楽しませてあげたいですね。

猫だけどウサギのような目の色 レッド

白猫

猫の目の色に限ったことではありませんが、先天性白皮症(アルビノ)というメラニン色素の欠乏を引き起こす遺伝子疾患を持って生まれた場合、目の色が赤くなることがあります。色素が極端に少ない猫の目の色は、血管の色がそのまま透けて見えるために赤くなるのです。

神秘的な猫の目の色 オッドアイ

オッドアイの猫

猫の目の色の中で珍しいのがオッドアイ。「虹彩異色症」といい、左右の目の色(虹彩の色)が異なっていることを言います。
人間の場合、オッドアイ(ヘテロクロミア)の人は10000人に1人というとても少ない確率で生まれてきます。猫の発生率は他の動物に比べると25パーセント程度と高く、白猫に多く見られる目の色となります。

目の色は青とその他の色という組み合わせが一般的です。
先天的な遺伝子異常で起こるケースと、病気やケガなどの後天的な要因で起こるケースがあります。また、先天性のオッドアイの猫は、青い目の色をしている方の耳が難聴を伴う場合が多いという報告もされています。

目の色に加えて顔の色まで異なる猫

オッドアイの話が出たついでに、とっても個性的な猫ちゃんをご紹介します。
それはアメリカ、ノースカロライナ州のヴィーナスちゃん。
このヴィーナスちゃん、左右の目の色が違うことに加えて顔の模様も左右で異なっているんです。半分がトラ柄、もう半分が黒となっています。

ひとつの体に、異なった遺伝情報を持つ細胞が存在する猫のことを、ギリシア神話の空想上の生物キマイラ(キメラ)に例えて「キメラ猫」と表現したりもしますが、メス猫のヴィーナスちゃんの場合はキメラ猫ではない可能性もあるそうです。猫の遺伝研究の先生によると、茶色の遺伝子と黒の遺伝子が顔の別々の部分で活性化しているというケースも考えられるのだそうです。

また、ヴィーナスちゃんの片方の目の色は青です。青い目の色は、体に白い色の部分が多い猫に出やすいのですが、ヴィーナスちゃんは胸元に少し白い色が入っているだけ。これでは青い目に生まれてくる説明がつかないというのです。生き物の体には、まだまだ私たちの知らない秘密がたくさん隠されているのでしょうね。

猫の目の色の中でも希少 ダイクロイックアイ

二色のもみじ

猫の目の色の中でかなり希少とされるのがダイクロイックアイです。ひとつの眼球に2種類の異なる色が入っている猫の目の色のことを言います。色の別れ方によって「扇型虹彩異色症」「中心型虹彩異色症」と区別して呼ぶこともあります。
ダイクロイックアイとされる猫の目の色の特徴は、ぼんやりとしたグラデーションではなく、はっきりと区別がつく2種類の色であることです。

まとめ

猫の顔アップ

ここでは、猫の目の色の種類についてご紹介しました。
猫と言えば目の色よりも毛色が話題に上ることの方が多いですが、目の色もよくよく観察してみるとそれぞれに個性があって魅力的ですよね。ネット上にも様々な目の色を持った猫の写真が出ているので、興味があるかたはぜひ調べてみてください。思わず愛猫の目をじっくり眺めてみたくなってしまうかもしれませんね。

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