猫の「芸」となる行動と本来の意味

猫の「芸」となる行動と本来の意味

「え?猫って芸をするの?」と思ったあなた。確かに気まぐれと言われる猫は、犬や猿などとは違って、トレーニングをして従順に人の指示を待てる気質でないようにも思えます。しかし、愛猫との日々の触れ合いの中で、思いがけないリアクションを見かけたことはないですか?そのときこそ、猫ちゃんの「芸」を見つけるきっかけになるのです。それには、あなたのたくさんの愛情と深い観察力が不可欠です。では、猫にとっての「芸」とはなにか?に迫っていきましょう。

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猫の「芸」とは

お願いしますをする猫

猫の本能的な個性が「芸」になる?!

家猫の場合、「寝る」「遊ぶ」「排泄する」など、猫の基本欲求・本能のうち、特に「食べる」ことに関しては、「ごはんください!」と話せない代わりに、あの手この手で飼い主さんにアピールをしますよね?それこそが、「芸」となる行動を発見するチャンスかもしれません。

最近YouTubeの動画で、何とも賢い猫ちゃん達が紹介されていました。テーブルの上に置かれた呼び鈴を叩くと、お皿にカリカリが一粒貰えることを覚えたのです。しかも2匹の猫ちゃん達、対バンのドラマーが競い合うかのように、呼び鈴を何度も叩き続け、時々混乱して、相手のお皿のカリカリにも手を出す始末!必死すぎて思わず吹き出してしまいます。

これこそ、猫ちゃんの立派な「芸」の例です。飼い主さんが、彼らの性格や習性を見極めて、「呼び鈴を叩く=ごはんを貰える」と学習させたやりとりが目に浮かびます。「カリカリほしいにゃ!」の意図を、猫達は「芸」によって見事に体現させています。

猫の「芸」は性格を知らずして成らず

先述の猫達がこの「芸」を繰り出した背景には、飼い主さんが彼らが「音がなるものを叩く」探究心旺盛型の猫だと気づいたことがあります。もし物静かでおっとりマイペース型の猫であれば、興味すら抱かず、そっぽを向いていたかもしれません。または、怖がりで慎重型の猫であれば、得体の知れない銀色の物体に、尻尾を丸めて逃げていたかもしれません。全ての猫が同じ事を出来る訳ではないのは、そこに理由があります。「芸」は猫それぞれの性格によって、十人十色の技を見せるのです。

「芸」は猫が体現した渾身のメッセージ

筆者の体験談もひとつ。我が家のアメショーの愛猫に、おやつをあげようと思った時のこと。たまたま、高い位置におやつを持っていました。すると前足を伸ばそうとして、直立態勢になり、突然「お願いします」と、手をぐりぐりと回して拝む格好をして見せたのです!!そんな立ち姿を見た瞬間に、「凄いねぇ!かわいい~!いい子だねぇぇ」とべた褒めです。大好きな飼い主さんに、何故だか分からないけれどとても褒められた上に、美味しいものを貰えると分かった我が家の猫は、それをいい記憶として学習しました。

それ以来、なにかしてほしい状況になると、すぐに反応して目の前でお願いポーズをとるようになったのでした。私はそこで「お願いしますにゃ」と指示する言葉を付け加えることで、愛猫との会話を成り立たせました。ちなみに大好きなフェルトボールで遊んでほしい時も、同じ「芸」を見せます。

「~したい」→「芸」を見せる = 飼い主と呼応する行動→欲求が満たされる

このパターンを学習した猫は、その特異なボディランゲージを思う存分「芸」として披露するでしょう。

猫の「芸」は習性から出る

袋に入ろうとする猫

猫の本能が疼いた時に「芸」は出る

猫の代表的な習性として、狭い所や高い所が好きなことや、元々ライオンと同じ肉食系の狩猟動物であることから、細かい動きや飛ぶものを追うことに興味を持つといった事が挙げられます。そのため、身近な例でも土鍋やタンスの引き出しの中で寝てしまう猫や、得意気にネズミや虫などを捕まえて披露する猫などいますね。ギネスで世界一動画を再生された猫として有名な「まるちゃん」は、空き箱を見つけると、見事なダイビングですっぽり体をはめるという妙技を見せてくれます。

  • 空き箱、袋 → 「入りたい」
  • お風呂場、台所、ペットボトルの水→ 「触りたい、飲みたい」
  • ドア、窓を開ける → 「開けたい」→ 別の場所に行ける

各々興味を抱く対象は違いますが、これら様々の「やってみたい!」という習性に付随した欲求行動が、人間的な仕草や行動パターンに見えるので、我々は「芸」と認識するのです。ちなみに、成猫になった猫は、ヒトで言う3歳児程度の知力があると言われています。

中には、より人間的な「芸」を披露する猫もいます。ヒトが使うトイレで用を足す、さらにはその後に水を流すことまでできる猫、ボールを投げてはきちんと持ってくるというキャッチボールが出来る猫、またヒトの赤ちゃんをあやしたり、ボディガードのように護衛したりする猫など、猫界の「芸達者」は未知数です。

飼い主と猫のウィンウィンなやりとりが「芸」につながる

そして、何よりも忘れてはいけないことが、無理強いだけはしてはいけないということです。気まぐれな猫ちゃんです。もとは何も出来なくて当たり前。間違っても、躾と称して嫌がる行為をしむけないことです。その上で、なにか癖になりかけている自然な行動が出来たら、よく褒めてあげる、抱きしめてあげる、撫でてあげる、いっぱい話しかけてあげる。そういった愛情をたくさんお返ししてあげてください。その行為こそが、「はい、きちんと聞いてますよ!わかってるよ」という合図になるのです。「芸」ができたら、つまり猫との意思疎通が出来たなら、お互い幸せな気分になりますよね。

まとめ

猫と向き合って笑う女性

毎日、愛猫の身の回りのお世話をしっかりして、信頼関係を築いていく中で、「芸」をしようとする猫の仕草が見られた時、それは猫がよりあなたと話したい、注目されたいと思っている証拠。自慢のペットとして、何か一芸に秀でて有名になることを望むこともあるかもしれません。でも過度な期待はいけません。「芸」は本来飼い主さんだけに見せる愛情表現であり、それぞれの個性が違って当たり前という優しい心で対応してあげてはいかがでしょうか。その中で見事な「芸」が発揮できた時、周りの人とも喜びを分かち合うことには大賛成です。

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