災害時、愛猫の命を守る方法とその備えについて

災害時、愛猫の命を守る方法とその備えについて

自然災害大国日本で愛猫を守るためには一体何をすればいいの? 「同行避難」とは? 最寄の避難所はペット可? 最低限の避難グッズとは? マイクロチップは本当に万全なの? いざという時に備え愛猫の命を守ろう。

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愛猫と防災を考える

被災地と猫

日本では、2011年、東日本大震災という空前絶後の大地震が起こりました。それ以降も、2014年、広島県土砂災害。2015年、関東・東北豪雨。2016年には熊本地震、大分県中部地震。そして、記憶に新しいのは九州北部豪雨、秋田県や新潟県でも激しい雨が降り続きました。

東日本大震災の際には、多くのペットが取り残され、そのまま野性化したり、運良く見つかっても引き取れる状況ではなかったり、とそこには悲惨な現実がありました。猫同士の共食いもあったと聞きます。

それを受けて、2013年、環境省の「災害時におけるペットの救護対策ガイドライン」が出来ました。そこには「避難をする際には、飼い主はペットと一緒に避難する同行避難が原則」とあります。これをみると、避難する際には、避難所でペットを受け入れてくれるように思えますが、実際にはその判断は各々の自治体や避難所に任されています。

要するに、ペットを連れて避難しても、受け入れてくれるとは限らないということです。その事実を知った時、猫を飼っている私は愕然としました。

「同行避難」とは?

首輪をした猫

環境省のガイドラインがあるくらいなので、避難所でペットを受け入れる状況が整っていると思い込んでいる飼い主は少なくないと思います。しかし、環境省が推奨しているのは、あくまでも「同行避難」であり、「同伴避難」ではありません。あるアンケートでは最寄の避難所でペットを過ごせるかどうか知らない飼い主は約65%でした。

「同行避難」というのは、災害時に飼い主がペットを連れて一緒に避難することを言います。しかし、避難所で一緒に過ごせるかは、それぞれの避難所の判断に寄るのです。現実問題として、ペットの受け入れに積極的な自治体と、全く準備の出来ていない自治体では、その温度差はかなり大きいです。

例えば新宿区では、ペットの同行避難ハンドブック『いざという時に災害からペットを守るために』を作成し、トイレの設置や飼い主不明のペットの世話の仕方などのルールを決め、ケージや鎖など備蓄の用意もあります。片や、犬や猫は受け入れるが、爬虫類などは受け入れないという避難所もあり様々です。

多くの場合は、避難所内にペットを受け入れることはなく、猫は動物専用の避難施設や、テントなどでケージに入れられ過ごすことになります。ですので、ペットと離れたくない飼い主は車中泊をしたり、自宅にペットを残したまま避難したりしているのが現状です。

まずは自分の最寄の避難所が、どういう受け入れ体制なのかを確認しましょう。因みに私の最寄の避難所は、ペットの受け入れには積極的ではないので、災害が発生し、避難が必要になった際に、愛猫をどうすれば守れるのかを考えなくてはなりません。

避難所でのマナー

毛布にくるまった猫

たとえ受け入れてもらえても、避難所には動物アレルギーの人もいれば、動物嫌いの人もいるので、ストレスなく共存するのは難しいでしょう。自分の命を守るのも精一杯の中で、ペットを飼っている人間は、もしもの災害が起こった時に、どうやってペットの命を守れるかが課題になって来ます。取りあえず私は愛猫の避難袋を作ることにしました。

愛猫のための避難グッズ

ケージ
  • キャリーバッグ……両手が使えるようにリュック型がおすすめです。値が張りますが、キャリーバッグとケージが一緒になっている物もあります。猫の数だけ用意します。
  • フード……いつも食べている銘柄を用意。ウェットフードはパウチがおすすめです。多頭飼いの場合は、どの猫も食べられるものを選別して用意すると良いでしょう。被災者の体験談として、最低5日分は用意すべきとのことでした。
  • 水……軟水が良く、ミネラルウォーターはNGです。
  • 食器……フード用と水用で2つ必要。
  • 首輪、リード又はハーネス……首輪は予備を持っていた方が良いでしょう。リードは抜けてしまうことがあるので、ハーネスの方が良いかもしれません。
  • 愛猫の写真……特徴が判りやすい物。愛猫が行方不明になった時に役立ちます。飼い主と一緒に写っている物もあると便利です。
  • タオル、ブランケット……簡易ベッドに使えます。
  • ビニール袋、新聞紙……トイレを失敗した時に便利です。
  • ペットシート、猫砂……トイレは段ボールなどを代用します。或はビニールの上に猫砂をひいて、簡易トイレを作ります。
  • 常備薬……病気を患っている猫は必需品。その他に整腸剤などを持っておくと良いです。
  • ウエットティッシュ……あると便利です。
  • 緊急用手帳……掛かり付けの病院の連絡先や獣医師の名前、愛猫の身体的特徴、患っている病気、性格、食事の銘柄やあげる頻度、世話の仕方などを記したノートを持っていると役に立ちます。もしも自分が世話を出来なくなった時に、そのノートと共に、愛猫を人に託すことが出来るからです。愛猫を託す知り合いも、予め決めておいた方が良いでしょう。その方の連絡先もきちんと控えておきましょう。

災害に備えての愛猫と準備すること

檻の中の猫

犬の飼い主が災害に備えて、あらゆるしつけをしているのに対して、猫の飼い主は「特に何もしていない」と答えた人が多かったです。猫は犬とは習性が違うので、ある意味予想通りの結果でしたが、避難グッズ等も、犬の飼い主に比べると、猫の飼い主が用意している割合は低かったです。

それでも対策を練っている飼い主は、日頃から猫をケージやキャリーケースに入れる訓練を重ねています。食事の間だけ中に入れたり、常に部屋の片隅に置いて、自分から入るように工夫したり。他には非常用のトイレを使う訓練をさせている飼い主もいるようなので、見習わなければいけないと思いました。

避難所ではどのようなウイルスが蔓延するか判らないので、ワクチンは予め済ませておきましょう。これは完全室内飼いでも、災害に関係なく済ませておく方が良いでしょう。

迷子札つきの首輪は普段からしておきましょう。災害時には外れてしまうかもしれないので、マイクロチップの方が良いと思う方もいるでしょうが、マイクロチップも万全ではありません。極稀にマイクロチップを埋めたことで、てんかん、ガン、アレルギーを発症する猫もいます。割合にして1%。100匹いたら1匹。しかし0ではないのです。

マイクロチップを扱うメーカーは3社程あるのですが、どのメーカーも規格が違うので、他社の物を読み取ることは出来ません。その上、身体の中で移動してしまう場合もあります。迷子になった猫が保護されるのは保健所ですが、最寄の保健所がマイクロチップに対応しているか、どこのメーカーの物を使っているのかの確認も必要です。

まとめ

こちらを向いた黒猫

自然災害大国日本に暮らす以上、あらゆる災害を避けて通ることは出来ません。いつ来るか判らない災害に備えるのは大変なことですが、いつ来るか判らないからこそ、愛猫のために様々な備えをしなければいけないのだと痛感しました。熊本地震では動物病院がペットを預かってくれた例もあったようですが、こればかりは「その時」までどうなるのか判りません。

愛猫の命を守れるのは、結局は飼い主だけなのです。今から少しずつでも、出来ることはしておきましょう。

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