猫に生魚を与える時の注意点と与え方

猫に生魚を与える時の注意点と与え方

猫と生魚は、相性が良いイメージがありますが、実はそうとも言いきれない部分があります。逆に、生魚を与えるのが猫にとって良くないこともあるので、慎重にならなくてはいけません。お刺身など欲しがりますけどね…なぜ猫に生魚を与えるのが良くないのか、詳しくみていきましょう!

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

本来猫に生魚は不要

黒板に描いた魚を見る猫

日本は海に囲まれていることもあって、昔から猫の食べ物は魚というイメージが固定してきました。日本以外の国でも、海沿いの地域などは、やはり猫に魚を与えていることが多いです。ですが、猫は本来肉食なので、魚だけを与えていると病気の原因となります。

毎日魚だけというご家庭は少ないでしょうが、生魚を頻繁に与えるのは、猫にとって良くない結果になることがあります。我が家の猫たちもそうですが、お肉も好きですが魚も好きで、調理しているとわらわらと寄ってきます(笑)。少量与えた時の食いつきは、ハンパではありません。猫と生魚は、どのようにつき合わせれば良いのでしょうか?

猫に生魚を与える時の注意点

生の魚介類

生魚と一言で言っても、様々な種類があります。まず青魚やイカ、タコ、貝類、甲殻類は、チアミナーゼという猫にとって大切なビタミンB1を破壊する成分が含まれているので、生で与えてはいけません。猫が大好きなカツオやマグロにも、チアミナーゼが含まれています。できれば生では与えない方が無難です。少量ならば大丈夫という意見もありますが、少しずつでも積み重なれば危険ですので、慎重になったほうがよいでしょう。

また、猫が青魚ばかりを食べていると、不飽和脂肪酸の摂り過ぎになり、イエローファットとなって皮下組織の炎症が起きてしまいます。不飽和脂肪酸は適量ならば血中コレステロールを減らし、認知症の予防にもなり得るのですが、なにごとも過剰摂取は良くありません。

生魚には骨がありますので、骨が喉に刺さるという可能性もあります。このように、猫に生魚を与えることには、様々なデメリットがあります。魚が好きだから喜ぶだろうと思っても、食べないこともあります。意外と、猫に魚を与えるのは難しいのです。

加熱した魚でも量には注意

お皿に盛ったかつお節

前述したビタミンB1を破壊する成分であるチアミナーゼは熱に弱いので、生魚を加熱すると、与えても大丈夫になることがあります。ただ、猫に与える量には注意が必要です。やはり大量に与えることはオススメできません。例えば、生魚ではなく、猫が大好きなカツオ節やマグロ節は与えても平気ですが、大量だと今度はマグネシウムの摂り過ぎとなり、尿結石ができてしまうことがあります。

調理した生魚の与え方

ウエットフードを食べる猫

猫によっては魚が大好き!という子もいるでしょう。そんな子から魚を全く取り上げてしまったら、そちらの方が可哀想です。猫用に販売されているカツオ節やマグロ節などを、適量トッピングやおやつとして与えるのであれば問題ないでしょう。

生魚を調理して与える場合、青魚と鮭は充分に加熱しましょう。白身魚はさっと加熱すれば大丈夫ですが、あまり新鮮でない場合には、しっかりと加熱しましょう。骨は取り除いて、皮ごと与えるのが一番のようです。

心配な場合は、魚をゆでたゆで汁のみを与える手もあります。いつものドライフードにかけると、趣向が変わって喜んでくれるかもしれません。その場合は、栄養成分を破壊しないよう熱湯は避け、60度位にさましたゆで汁を使うようにしましょう。

猫と生魚についてのまとめ

大きな魚を見つめる猫

猫に生魚が良くないなんてちょっとビックリですが、愛猫の健康を守るために気をつけなくてはいけませんね。以前、生魚を与えてはいけないと知らなくて、カツオのお刺身を少量、愛猫に与えてしまったことがあります。その時の、野生丸出しの愛猫の顔が、忘れられません(笑)。今はお刺身は与えないようにしていますが…。お刺身などを油断して食卓に置いておくと、愛猫がさっと盗むこともありますので、充分に注意が必要です!

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