猫に水を飲んでもらうための3つの方法

猫に水を飲んでもらうための3つの方法

猫はほとんど水を飲まないイメージがありますが、生きていく上で水がとても必要です。猫の先祖は砂漠の乾燥地帯で暮らしていたため、少ない水分でも十分機能するようにできているようです。しかし、猫が全く水を飲まない、又は飲みすぎていても体によくありません。この記事では、猫が水を飲まない原因や水分不足の場合に起こり得る病気、そして対処法などを紹介します。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

猫に水分を摂ってもらう方法

140136429蛇口から出る水を飲んでいる猫

猫に水分を摂ってもらうには、どのようにしたら良いのでしょうか。体のことも考え、できるだけ水分を摂ってもらいたいですが無理に飲ませることは避けたいものです。

そこで猫に水分を摂ってもらうための方法を3つ紹介します。

水皿を変えてみる

猫が水を飲みやすい皿、飲み口が広い水皿などに変えてみてはいかがでしょうか。猫は水を飲む際、顔やひげがぬれるのを嫌います。ぬらさずに飲める飲み口が広い物、丸い形の皿が使いやすいようです。猫は意外とこだわりがあるようですので、興味を持つ材質に変えてみるのも手ですね。
ガラス、金属、プラスチック、好みのカラーにチェンジするのも良いでしょう。

循環式給水器

循環式給水器は舐める飲み方をする猫に適しています。フィルターを使うタイプならゴミやホコリをとってくれるため、キレイな水をいつでも飲むことができます。

キャットフードを変更する

水分を摂りたがらないのであれば、ウェットタイプのキャットフードに変更することで改善できるかもしれません。

  • ドライタイプのキャットフードには、5~10%の水分が含まれる
  • ウェットタイプのキャットフードには80%の水分が含まれている

もしも、ドライタイプのキャットフードしか食べない場合は、お湯でふやかして試してみてはいかがでしょうか。

猫に必要な水分量とは

59919196目を抑えている猫

あなたが飼っている猫は、水分を摂っていますか?個体差があり一概には言えませんが猫にとって水はとても大切です。猫の体内の60~70%は水分が占めています。水を飲まなくてもある程度大丈夫なようですが、体重1キロあたり60~70mlの水が必要と言われており、水分が不足してしまうと病気のリスクが上がってしまいます。

猫が一日に必要な水分はどのくらいなのか、体重別で調べてみました。

  • 体重2キロ 110~120ml
  • 体重3キロ 150~160ml
  • 体重5キロ 210~230ml
  • 体重8キロ 310~330ml

猫に水を与える際は、ミネラルウォーターや猫用の水ではなく水道水で構いません。おなかを壊す可能性があるので冷たい水は避けましょう。また、火傷(やけど)防止のために熱湯も避け、清潔な常温の水を用意します。カルキや塩素が気になる場合は、一度浄水するとより安全だと言えるでしょう。

猫に水分が足りない時起こる病気

猫が水を全く飲まない、又はがぶ飲みをする、このような場合心配になります。もしかしたら、体調の不良、病気の兆候傾向にあるかもしれません。いつもと違うと感じた際は、早めに動物病院で診察してもらうことをオススメします。猫が水を飲まないことで、かかりやすくなる病気について紹介します。

尿石症

腎臓、膀胱や尿道などに石のような結石ができる病気です。比較的、発症しやすい病気と言われていますが、日頃のケアにより早期発見につながります。尿結石になる原因として、

  • 水分不足
  • ストレス
  • 飼育環境
  • キャットフード 

等が考えられます。

3~5歳の猫が発症しやすく、親猫が発症したことがある場合、発生率は高まります。また、尿道が狭く長いオス猫の発症が多くみられますが、メス猫が発症することもあります。では、発症するとどのような症状が出るのでしょうか。

  • トイレの回数は多くなるが尿の量は減る
  • 排尿時、痛みが出る
  • 血尿が出たり、尿と一緒に砂状の結晶が出たりすることもある

ふだんから猫が新鮮な水を飲める環境作りを心がけましょう。トイレは清潔を保ち、トイレをガマンさせることがないように気を付けたいものです。また、塩分が多い人間の食べ物は、猫が欲しがっても絶対に与えてはいけません。
早期発見のためにも、年1回動物病院で尿検査をすることをオススメします。

膀胱(ぼうこう)炎

膀胱に炎症が起こる病気で、1~10歳の若い猫の発症率が高いとされています。細菌の感染、尿結石などにより膀胱がキズついてしまったことが原因で起こります。

膀胱炎の場合、頻繁にトイレに行っても出なかったり、1回の排尿の量が少なかったりもします。血尿や尿の濁り、匂いがいつもと違う場合もあります。このような症状が見られたら、まず生活習慣の見直しが必要となります。

  • 新鮮な水を多く飲んでいるか
  • 猫がストレスを感じていないか
  • きれいな状態のトイレであるか
  • トイレの設置場所は適しているか

冬は暖かい場所にトイレを設置し、トイレをガマンしない環境を作ることも必要です。

猫の水の飲み方を観察する

猫が水分を摂らない、摂ってくれない、又は、いつも以上に飲んでいる場合、どの場合も決して見逃すことはできません。猫の水分の摂り方を観察するとは、一体どんなことなのかを詳しく紹介していきます。

  • 口の回りや口の中に、ケガや傷がある
  • 暑い時期は体温調整のため、水分を多く摂取している
  • 腎機能低下により、多飲多尿の傾向がある
  • キャットフードに含まれている塩分が多い
  • 塩分が多く含まれた人間の食べ物、飲物を与えている

このような理由から、水を摂らなかったり、逆に摂りすぎてしまったりするようです。どの場合も、猫が水分を摂るに当たりとても重要であり、日頃から観察することが大切です。

飼い主さんが十分に理解してあげ、健康を維持するための工夫をしてあげましょう。

猫に必要な水分についてまとめ

55861601聴診器をあてられている猫

猫に必要な水の摂取量や、水分不足から考えられる病気、水を飲んでもらうための工夫などを紹介しました。どのパターンも病気になって後悔しないように、飼い主さんの元で日頃のケアが必要となります。それとともに、動物病院で定期的な健診を受けることをオススメします。

健康であることが1番。愛猫との生活の参考にしていただけたら幸いです。

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